研究課題/領域番号 |
21K13768
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分11010:代数学関連
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研究機関 | 学習院大学 (2022-2023) 九州大学 (2021) |
研究代表者 |
長岡 大 学習院大学, 理学部, 助教 (90899288)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | del Pezzoファイブレーション / コンパクト化 / 代数幾何学 / log del Pezzo曲面 / 持ち上げ可能性 / アフィンホモロジー胞体 / additive variety |
研究開始時の研究の概要 |
アフィン空間は, 代数幾何学で扱う最も基本的な対象であるため, 『同様の位相的性質を持つアフィンホモロジー胞体という代数多様体の中から, アフィン空間をいかに特徴づけするか』というのは, 重要な問題の一つである. この問題の解決に向けて, 本研究では, 有理的な3次元アフィンホモロジー胞体のPicard数が2であるコンパクト化の分類に取り組む. 更に, 応用として, 加法群の作用も加味したアフィン空間のコンパクト化である3次元additive varietyの分類を行う. また, 有理性が不可欠な仮定であることを示すために, 非有理的なアフィンホモロジー胞体の構成に取り組む.
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研究実績の概要 |
本年度は曲線上のdel Pezzoファイブレーションの幾何を中心に調べた。 一般に端末特異点を持つFanoファイブレーションの全空間がアフィン空間のコンパクト化の構造を持っているときに滑らかな閉ファイバーに構造が制限されるかという問いは興味深い。例えばDubouloz-Kishimoto-Palkaにより、全空間が4次元の場合、閉ファイバーに有理性が引き継がれない例が構成されている。 そこで本年度は全空間が3次元の場合のうち、曲線上のdel Pezzoファイブレーションの構造を持つコンパクト化を研究した。 del Pezzoファイブレーションの次数は7ではない9以下の自然数を値に取る不変量であるが、次数が6以外の場合は前述のDubouloz-Kishimoto-PalkaおよびDubouloz-Kishimotoにおいて本質的に研究されており、その手法はPicard数1のFano 3-foldによるアフィン空間のコンパクト化から適切なdel Pezzo曲面のpencilを取ることであった。一方で次数6の場合に対応するpencilは現時点では発見されていない。そこで、次数9,8,6間のSarkisov linkを変わりに採用することで、大量の具体例の構成に成功した。結果として、del Pezzoファイブレーションの全空間が3次元アフィン空間のコンパクト化の構造を持っていても、滑らかな閉ファイバーの構造に制限はつかないことがわかった。また、境界因子ある既約成分が閉ファイバーである場合、もう1つの既約成分は曲線のファイブレーション構造を引き継ぐが、この滑らかな閉ファイバーの構造にも制限はかからないことがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
全空間が3次元のFanoファイブレーションはconic束とdel Pezzoファイブレーションに分かれているが、滑らかな閉ファイバーのモジュライが非自明なのは後者のみである。よって本年度の研究により、アフィン空間のコンパクト化の構造は3次元のFanoファイブレーションの閉ファイバーの構造に影響を与えないことがわかった。
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今後の研究の推進方策 |
前年度の方策にも上げた通り、標数2,3の代数閉体上のtigerを持つlog del Pezzo曲面の分類に取り組む。
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