研究課題/領域番号 |
21K13769
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分11010:代数学関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
谷田川 友里 東京工業大学, 理学院, 准教授 (90819343)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 分岐 / 特性サイクル / オイラー数 / 導手 / エタール層 / 代数的サイクル / 代数多様体 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、特性サイクルの計算の問題への応用を目標に、一般的には本質的に異なる理論である、対数的な分岐理論と非対数的な分岐理論を組み合わせ、それにより生じる数学的な現象や利点を考察する。特性サイクルは、代表的な大域的不変量であるオイラー数を計算できる一つの数学的対象で、分岐とは整数論において幾何学での分岐の類似として考えられるものを指している。特性サイクルの分岐の不変量による計算は、代数幾何学における大域的な情報を局所的な整数論における情報から得たいという問いに関係する問題である。
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研究実績の概要 |
今年度は、昨年度までに構成した階数1の層に対する部分的に対数的な特性サイクルについて昨年度やり残していた問題である、部分的に対数的な特性サイクルと層のオイラー数との関係を明らかにすることに取り組んだ。それにより、階数1の層に対する部分的に対数的な特性サイクルが零切断との交点数としてオイラー数を計算するという指数公式を示すことができた。階数1の層の部分的に対数的な特性サイクルは、加藤氏により階数1の層が境界に沿って対数的に良い分岐を持つ場合に構成された対数的な特性サイクル、および斎藤氏により層の境界に沿った分岐が非対数的によい場合に与えられた特性サイクルの層の分岐の不変量による計算の類似として定義される。今回与えた階数1の層の部分的に対数的な特性サイクルの指数公式は、対数的な極を適切に選ぶことで加藤氏による対数的な特性サイクル、および斎藤氏による特性サイクルの計算のそれぞれが指数公式を通して与えるオイラー数の層の分岐の不変量による計算の仮定を層の階数が1の場合に少し弱めた状況でオイラー数の計算を与える。さらに、この部分的に対数的な特性サイクルの指数公式と合わせて、対数的な極の選び方を変えた場合にそれぞれの場合の部分的に対数的な特性サイクルが互いにどのような関係にあるかを、それぞれのサイクルが定めるサイクル類の間の関係式として得ることができた。これらの成果については、国内外のいくつかのセミナーや研究集会で発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度やり残していた部分的に対数的な特性サイクルとオイラー数との関係について確かめることができたため。また、次の課題である部分的に対数的な特性サイクルの対数幾何を用いた幾何的構成について、その最初のステップである、階数が一般の層に対する部分的に対数的な特性サイクルの構成について考え始めることができたため。
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今後の研究の推進方策 |
部分的に対数的な特性サイクルの対数幾何を用いた幾何的構成について考える。その最初のステップとして、今年度示した階数1の層の部分的に対数的な特性サイクルとオイラー数の関係について、階数が一般の場合にも部分的に対数的な特性サイクルを構成し同様の関係が成り立つことを示す。これがうまくいけば、この結果も参考にしながら部分的に対数的な特性サイクルの対数幾何を用いた幾何的構成について研究を進める。
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