配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
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研究開始時の研究の概要 |
本研究では, アフィン代数多様体における「消去問題」に取り組む. 特に, どのような条件の下で消去問題が成立するか, を明らかにすることを目指す. そのために, 予備研究 (arXiv:1910.03494) で得られた不変量を利用して具体例を考察し, 不変量の改良を行う. この不変量は, 代数多様体の座標環における次数構造に着目して得られたものである.
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研究実績の概要 |
当該年度に実施した研究の成果は以下の2つである. (1) トーラス作用を持つアフィン代数多様体の分類: 消去問題が成立する族を見つけるために, 代数的トーラス (基礎体の乗法群のいくつかの直積となっているもの) の作用を持つアフィン代数多様体の分類を行なった. 特に複雑性と呼ばれる量が1 (0はいわゆるトーリック多様体) の場合について分類を与えることに成功した. これは森重文氏 (1977年, 2次元の分類, 任意標数), 石田正典氏 (1977年, 3次元の分類, 任意標数) およびJ. Hausen氏, E. Herppich氏, H. Suss氏 (2011年, 任意次元, 標数0) の結果の一般化になっている. 特に我々の分類では, アフィン代数多様体の定義方程式まで具体的に与えている. 表示方法は単純で分かりやすい森氏の表示を採用している. その結果, 複雑性が1であるトーラス作用を持つアフィン代数多様体において, 消去問題 (ザリスキ型) が肯定的となることを示すことができた. Gene Freudenburg氏 (Western Michigan University) との共同研究である. (2) ローラン多項式環のレトラクトの分類に関する投稿論文の修正: 昨年度に執筆して投稿中であった論文について, 一部証明が簡略化できることがわかり修正を行なった. その結果, 当初のものよりも良い定理を得ることができた. 修正の際に, Neena Gupta氏 (Indian Statistical Institute) に共著者に加わってもらい, 共同研究として実施した. 商体がレトラクト有理的となる環について, 条件付きでその有理性を示すことにも成功した.
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今後の研究の推進方策 |
まずは前述の2つの論文について, 出版ができるよう務める. Gupta氏との共同研究を経て, 商体がレトラクト有理的となる環を考えることが効果的であることがわかってきたので, その方面での研究を進める. Freudenburg氏との共同研究では, ある種のアフィン群スキームの作用を持つ場合を考えることで研究を進める. 特に, SL2 (特殊線形群) の作用を持つ場合について調べることで, 消去問題の進展を目指す.
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