研究課題/領域番号 |
21K13790
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分11020:幾何学関連
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研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
川崎 盛通 青山学院大学, 理工学部, 助教 (80900042)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 擬準同型 / ハミルトン微分同相群 / 共役不変ノルム / non-displaceability / 可積分系 / フラックス準同型 / 交換子長 / 混合交換子長 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究における学術的「問い」はnon-displaceability などのハミルトン力学系の減少を変換群(ハミルトン微分同相群) の言葉でどのように記述できるかを明らかにすることである。 その問題意識に応えるには無限次元リー群の具体的にどの性質に注目して研究するかが肝要である。そこで、本研究で注目するのが変換群上の(部分) 擬準同型と共役不変ノルムであり、これらを大域シンプレクティック幾何学において広く研究されているnon-displaceabilityと関連させて研究する。
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研究実績の概要 |
以前の研究でハミルトン微分同相群上の不変擬準同型であるピ(Py)のカラビ擬準同型がシンプレクティック微分同相群の部分群に拡張するかどうかについて木村満晃氏と研究したが、同様のことをシェルキン(Shelukhin)の擬準同型について木村満晃氏、松下尚弘氏、丸山修平氏、見村万佐人氏との共同研究で考えた。結果としてレズニコウ(Reznikov)類という特性類の非自明性を示した。更に可換なシンプレクティック微分同相写像のフラックス準同型の満たす条件についても考察した。これは2021年度にある程度のアイディアは得ていたが、それを整理して証明の細部を詰めたものである。ただし、2022年度中の論文投稿には間に合わなかった。 また、木村満晃氏、松下尚弘氏、丸山修平氏、見村万佐人氏との共同研究で、混合交換子長による粗幾何学(より正確にはcoarse group theory)と不変擬準同型の成す空間との間の関係について考察した。こちらも2022年度中の論文投稿には間に合わなかった。 更にサーベイ論文も執筆して論文投稿した。 年度末にはハミルトン微分同相群の普遍被覆の自励距離やホーファー(Hofer)距離についていくつか考察した。ハミルトン微分同相群について既に知られている結果のいくつかを普遍被覆に移植することができたので、より結果を洗練させて論文としてまとめたいと考えている。 全体としては既存の結果の論文執筆の遅れやこれまで投稿した論文の査読報告への対応などで忙しくて新たな研究がなかなか進まなかった。ただし、その中で2021年度までのいくつかの結果の論文掲載が決まったことは希望の持てるニュースである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年度は計画以上に進行していたが、2022年度は査読報告への対応などで論文執筆が遅れてしまった。それにしても全体としてはおおむね順調に計画通りと判断した。
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今後の研究の推進方策 |
まずは、上記の既存の結果の出版に向けて、論文執筆、雑誌投稿、査読報告への対応といった業務を着々と進めていきたい。その上で新たに以下の研究を進める。 本年度はシェルキンの擬準同型の拡張不能性を証明したが、それはあくまで一部のシンプレクティック多様体に対してである。この成果をより一般化したい。 この数年は共役不変ノルムの中で(混合)交換子長に関する研究の比重が大きかったが、他の共役不変ノルムや変換群の他の距離構造についても研究してゆきたい。 最後に、可積分系上のnon-displaceableファイバーについても球面直積上の例を増やしてゆきたい。
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