研究課題/領域番号 |
21K13792
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分11020:幾何学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
竹内 有哉 筑波大学, 数理物質系, 助教 (60899087)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | CR多様体 / Q-prime曲率 / 繰り込み接続 / 球面的CR多様体 / Kohn-Rossiコホモロジー / CR Q-曲率 / 共形多様体 / はめ込み |
研究開始時の研究の概要 |
幾何学において,与えられた空間への特別なはめ込みを発見し,それらを分類することは基本的な問題である.本研究の目標はこの問題を共形(CR)多様体と呼ばれる空間の場合に考察することである.そのために,まず共形(CR)多様体へのはめ込みに対する「エネルギー」を,漸近的(複素)双曲空間を用いることで構成する.この構成には,与えられたはめ込みをDirichlet境界条件とする漸近的極小はめ込みの重み付き面積を用いる.さらにこの「エネルギー」の臨界点となるはめ込みの特徴づけを行う.この部分については放物型幾何学の手法であるトラクター解析を応用することを考えている.
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研究実績の概要 |
共形多様体・CR多様体について研究を行っている.本年度の主な研究成果は以下の通りである.
(1) Q-prime曲率の一般化の計算:擬Einstein接触形式に対してCR Q-曲率が恒等的に0であることから,「二次的」なQ-曲率としてQ-prime曲率が導入された.そしてその積分である全Q-prime曲率はCR多様体の非自明な不変量を定めることも示された.一方で漸近的複素双曲空間の繰り込み接続を用いることで,CR多様体の不変量の族が構成できることが近年明らかになった.この不変量の族には上記の全Q-prime曲率も含まれている.昨年度の研究で,積分がこれらの不変量を定めるようなQ-prime曲率の一般化を構成することができた.本年度の研究では,佐々木η-Einstein多様体と呼ばれるクラスに対してこの関数を具体的に計算することができた.その証明には私が以前に発見したFefferman定義関数の具体的な表示を用いた.
(2) 球面的CR多様体に対するKohn-Rossiコホモロジーの消滅:球面的CR多様体とは単位球面とCR多様体として局所的に同型であるような多様体である.球面的CR多様体の典型例としては,単位球面のCR自己同型群の離散部分群による不連続領域の商が挙げられる.このとき極限集合のPatterson-Sullivan測度を用いることで,商多様体上に自然な接触形式が定まることが知られている.さらにこの接触形式のRicci曲率はPatterson-Sullivan測度を用いて定義されるテンソルになることも知られている.本年度の研究では,この表示を用いることでDolbeaultコホモロジーのCR多様体版に当たるKohn-Rossiコホモロジーが0になる十分条件を与えた.証明にはbigraded Rumin複体に対するWeitzenbock型の公式を応用した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は本研究課題とは直接的には関係しない研究にも取り組んだことにより,計画の実施に遅れが生じている.しかしながら研究と並行してCR多様体へのはめ込みに関する文献を精読したことが今後の研究の進展に大きく寄与すると考えている.
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今後の研究の推進方策 |
漸近的複素双曲空間の面積繰り込みを用いたCR多様体への一般のはめ込みに対する不変量の構成に取り組む.また共形多様体の場合のGraham-Wittenエネルギーの臨界点についての考察も並行して行う.
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