研究課題/領域番号 |
21K13793
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分11020:幾何学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
柳下 剛広 山口大学, 大学院創成科学研究科, 講師 (60781333)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | Weil-Petersson計量 / タイヒミュラー空間 / 擬等角写像 / リーマン面 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題の目標は, 先行結果として得られている有限次元Teichmuller空間上のWeil-Petersson計量の完備化, およびそれに付随するWeil-Petersson凸幾何学の理論を無限次元Teichmuller空間の場合へと拡張することである. 本研究が成功すれば, カオスな事象が多数存在する無限次元Teichmuller空間の幾何学的構造解明への新たな一歩となり, 非コンパクトリーマン面の理想境界での挙動に関する研究がより一層発展することが予想される.
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研究実績の概要 |
本研究課題の目標は, 先行結果として得られている有限次元タイヒミュラー空間上のWeil-Petersson計量の完備化, およびそれに付随するWeil-Petersson凸幾何学の理論を無限次元タイヒミュラー空間の場合へと拡張することである. 一般の無限次元タイヒミュラー空間に対してはWeil-Petersson計量を定義できないため, それを許容する部分距離空間である2乗可積分タイヒミュラー空間上で本研究では考察している. いくつかの例を除き, この空間上でWeil-Petersson計量が誘導するWeil-Petersson距離は非完備となる. したがって, この空間のWeil-Petersson距離に関する完備化を考えることができる. 有限次元の場合では, この完備化により現れるタイヒミュラー空間の境界成分はノード付きリーマン面と呼ばれる, 結節点を許容するリーマン面となる. 本年度では前年度および前々年度に引き続いてWolpertの原論文を勉強し, 無限次元タイヒミュラー空間の場合へと結果が拡張できるかを考察した. 結果としては残念ながら十分な成果が得られていない状況である. しかし,本年度では非コンパクトリーマン面上の正則関数およびアーベル微分の理論について勉強し,コンパクトリーマン面の場合とは異なる様相を呈していることを理解した.このことから,まずは非コンパクトリーマン面で最も単純な場合について,本研究の目的が達成できるかを見る必要があると考える.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究実績の概要にも記述したように,コンパクトリーマン面と非コンパクトリーマン面上の正則関数やアーベル微分の性質は異なるため,それらの事項の習熟に時間がかかってしまったことが理由として挙げられる. また,本年度は大学の事務活動や教育活動に勤しむ必要があったため,研究活動を行うための時間が十全に取れなかったこともあったと考える.
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今後の研究の推進方策 |
次年度も引き続き2乗可積分タイヒミュラー空間のWeil-Petersson距離に関する完備化についての考察を進める. 上記に記載したように,非コンパクトリーマン面で最も単純なものとなる2重連結開領域の場合を考える.この場合の2乗可積分タイヒミュラー空間のWeil-Petersson距離に関する完備化で現れる境界成分は2つの1点穴あき開円板を穴で接合して得られるノード付きリーマン面であると予想する. この場合では平面領域での理論が多分に利用できるため,Wolpertの理論を簡便化しながら,非コンパクトリーマン面の場合を効率良く研究できると期待する.研究成果が出た場合は速やかに研究集会で成果発表を行う.
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