研究課題/領域番号 |
21K13794
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分11020:幾何学関連
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研究機関 | 芝浦工業大学 (2023) 東京理科大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
大森 源城 芝浦工業大学, 工学部, 助教 (20843303)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 写像類群 / 周期的写像 / 群表示 / 組み紐群 / Quasitoric組み紐 / 最小生成系 / 対称的写像類群 / hyperelliptic involution / Dehn twist / 向き付け不可能曲面 |
研究開始時の研究の概要 |
BS回転と呼ばれるある有向曲面の回転があり,BS回転と可換なその曲面の向きを保つ自己同相写像のアイソトピー類からなる群をBS写像類群と呼ぶ.BS写像類群とTorelli群の共通部分をBS Torelli 群と呼ぶ. また,向き付け不可能曲面上の任意の同相写像はあるDehn twistとcrosscap slideによる積とアイソトピックとなる.この積表示をその同相写像のDC表示と呼ぶ. 本研究のでは以下の3つの研究を行う:(1)BS写像類群の有限表示に関する研究,(2)BS Torelli群の生成系に関する研究,(3)種数6以上の向き付け不可能曲面上のinvolutionのDC表示に関する研究.
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研究実績の概要 |
写像類群とは曲面の向きを保つ微分同相写像のアイソトピー類からなる群である.一昨年度は,BS回転と呼ばれるGhaswala氏とWinarski氏によって定義された曲面上の周期的写像に対する対称的写像類群(以下,BS写像類群)の有限表示を,東京理科大学の廣瀬進氏との共同研究により与えた.一般に,周期的写像による曲面の商を考えると,曲面の間の分岐被覆が得られる.Birman氏とHilden氏による理論により,対称的写像類群に“対応する”分岐被覆の底空間の分岐点集合を保つ写像類群の部分群が得られる事が知られており,これはliftable写像類群と呼ばれる. 底空間の分岐点集合を保つ写像類群から対称群への自然な全射がある.BS写像類群に対応するliftable写像類群は点付き球面の写像類群の部分群となることが知られており,Ghaswala氏とWinarski氏は,このliftable写像類群がある対称群の部分群の,先程の全射による逆像となる事を証明した.彼らの理論により,対称群のある部分群の,点付き球面の写像類群への逆像が,曲面の分岐被覆と密接に関わる事が知られている.特に点付き球面と点付き円板の写像類群はそれぞれ球面組み紐群と組み紐群に対応している為,対称群のある部分群の逆像として表される組み紐群の部分群の研究は非常に重要である. Manturovによって定義されたquasitoric組み紐と呼ばれる組み紐のクラスがあり,それらのなす集合が,組み紐群の部分群となることがManturovによって示されている.これをquasitoric組み紐群と呼ぶ.更にManturovは,任意の絡み目はquasitoric組み紐の閉包として実現できることを証明している.本年度は,quasitoric組み紐群の最小生成系を構成し,更にquasitoric組み紐群のアーベル化を決定した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の研究計画にはなかった対称群の部分群の逆像として表される組み紐群の部分群に関する研究を行う事の重要性が分かり,その研究に力を入れている為.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,対称群の部分群の逆像として表される組み紐群の部分群の最小生成系やアーベル化に関する研究を行う. それと並行して,研究計画に記載のBS Torelli群の生成系に関する研究を行う.この研究を行う上で,BS Torelli群とハンドル体群の共通部分となる群の生成系に関する研究も行う.
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