研究課題/領域番号 |
21K13805
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分12010:基礎解析学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
宮西 吉久 信州大学, 学術研究院理学系, 准教授 (20740236)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ノイマン・ポアンカレ作用素 / 積分作用素 / スペクトル |
研究開始時の研究の概要 |
21世紀の数学の発展と応用のためには、積分作用素のスペクトルと呼ばれる構造を、さらに詳しく調べるべきである。実際、様々な積分作用素に対するスペクトルは、解析学、大域解析学、数論や幾何学との関係も深く、世界的にも広く研究されている。
申請者は、積分作用素の一種のノイマン・ポアンカレ作用素(C. Neumann と H. Poincareが名前の由来)と呼ばれる作用素を調べてきており、この研究では、さらに一般の積分作用素やそれらの組み合わせで表せる作用素のスペクトル理論の構築を目指している。
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研究成果の概要 |
本研究において、様々な境界形状におけるノイマン・ポアンカレ作用素と呼ばれる積分作用素のスペクトル構造と応用を得ることが出来た。これらの結果は、多くの特異積分作用素と呼ばれる作用素のスペクトルでも汎用し易い形で構築されている。 尚、これらスペクトルの構造は領域境界の幾何が深く関係しており、境界が滑らかでない領域に対しても、領域境界の幾何形状とスペクトルの漸近挙動の関係を発見することも出来ている。スペクトルはさらに、プラズモン共鳴と呼ばれる物理現象や純粋数学なら代数(単位の奇数分割の問題)にすら応用されることも分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究はとくに、スペクトル解析の進んでいる擬微分作用素と呼ばれる作用素を特異積分作用素の近似として用いることで、(自己共役でもない)計算の困難な特異積分作用素のスペクトル構造を得る方法を提案している。また、具体的な現象に対応したノイマン・ポアンカレ作用素と呼ばれる作用素のスペクトルによって、3次元(実空間における)の電磁気現象など物理現象の解明にも繋っている。また、積分作用素のスペクトル構造を、代数や幾何にまで応用できることも示している。
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