研究課題/領域番号 |
21K13806
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分12010:基礎解析学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中村 昌平 大阪大学, 大学院理学研究科, 助教 (30896121)
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研究期間 (年度) |
2022-12-19 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | フーリエ制限予想 / Mizohata--Takeuchi予想 / Fourier restriction予想 / hypercontractivity / Mahler conjecture / フーリエ拡張作用素 / X線トモグラフィー |
研究開始時の研究の概要 |
一般的に純粋数学の知見は応用科学の発展に寄与することによって,その汎用性を保証している.ところで本研究は,こうしたアプローチを倒立させた新たな手法を提起する.すなわち「工学的手法としてのX線トモグラフィー原理を純粋数学に応用する」というアイデアであり,この点に本研究の独創性が凝縮されている.本研究で「振動する数学的対象」の典型例として念頭にあるのは,(曲面上の)フーリエ変換であり,したがって本研究の進展によって,「フーリエ変換に関する諸問題のX線トモグラフィー原理による解析」という調和解析学の新たな進むべき方向性を確立することになる.
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研究実績の概要 |
本研究の前段階として、我々が得ていた結果は次のようなものである。すなわちn=2次元で、曲面(曲線)が円周という特別な場合に、それに付随するFourier extension operatorに対するMizohata--Takeuchi予想を、Sobolevの埋め込みの意味で弱めた場合に、自明なregularityでの評価式(s=1)から、非自明な改良(s=1/2)ができるというものである。Mizohata--Takeuchi予想(s=0)自身が任意の次元で未解決問題であるため、この円周という特別な場合だけを取ってみても、大きな進展であった。 今年度は、この円周に対するs=1/2のSobolev型Mizohata--Takeuchi予想の高次元及び幾何学的一般化を行い、空間が偶数次元という制限はあるが、幾何学的意味をもつ適切な条件により、部分的な一般化に成功した。 合わせて、Flow monotonicityの手法を洗練させることで、Ornstein--Uhlenbeck semigroupのhypercontractivity不等式の解析を進めた。特に本研究によってこれまで知られていなかった、hypercontractivity不等式と凸幾何学における未解決問題との関連が明らかになった。
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