研究課題/領域番号 |
21K13808
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分12010:基礎解析学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
渋川 元樹 神戸大学, 理学研究科, 特命助教 (60737740)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 特殊函数 / 対称函数 / 可積分系 / 調和解析 / q差分方程式 / 表現論 / 特殊値 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、対称函数、その中でも特に重要なJack多項式やMacdonald多項式、あるいはその補間多項式のPieri型公式や特殊値公式といった「基本公式」の発見、研究を行う。またそれらの「基本公式」を応用し、より広範の多変数特殊函数についての研究も併せて行う。
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研究実績の概要 |
令和5年度は主に次の3つの研究を行った:1) Zwegers \mu 函数及び我々が導入した一般化 \mu 函数のq超幾何函数の観点からの研究、2) 一変数の可約なq差分方程式系とその解析の研究、3) \mu 函数の多変数化(対称函数化)についての研究。これらはいずれも令和4年度に引き続き \mu 函数関連のトピックスであり、土見怜史氏(神戸大学)との共同研究である。より詳細は以下の通り。 1) q差分方程式系の解析を主題とした以前の Shibukawa-Tsuchimi (SIGMA 2023) の研究の際に見落としていたq超幾何函数、特に Slater の変換公式(Selberg 型の Jackson 積分の接続公式の simplest examples)の観点から一般化 \mu 函数の研究を行った。またこれらを用いて、Zwegers \mu 函数及びその特殊化として得られる Ramanujan の mock テータ函数の新しい表示も導出した。 2) Zwegers \mu 函数が一般化 \mu 函数が満たす q-Hermite-Weber 方程式の可約性から特徴付けられることから、より一般な可約なq差分方程式系の研究を行った。特にその基本解を構成し、接続公式を導出した。 3) \mu 函数の解析において重要なツールとなった q-Borel 変換と q-Laplace 変換をうまく反復して, \mu 函数の良い多変数化(より強く対称函数化)を構成し、その基本的性質、特にモジュラー変換性も発見した。更にこの枠組みを拡張することで、一般化 \mu 函数の多変数化にも成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和5年度は申請者及び共同研究者の体調不良、病気による長期療養等の事情が重なり、当初の研究計画に関して遅れが生じた。他方、\mu 函数関連については特殊函数、可積分系、数論等の様々な分野で興味を持たれ、それに関して多くの招待講演の機会を得た。更に昨年度に引き続き、可約なq差分方程式や多変数化等の進展も得られた。
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今後の研究の推進方策 |
体調不良や病気療養等で滞った令和5年度の研究計画を再開する。また令和5年度に様々な進展があった \mu 函数関連の研究も、対称函数化に成功しているので、既に本研究の一部に昇華している。そこで \mu 函数関連の q 差分方程式や q 超幾何の研究も引き続き行っていく。
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