研究課題/領域番号 |
21K13819
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分12020:数理解析学関連
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
村田 美帆 静岡大学, 工学部, 准教授 (90754888)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | ネマティック液晶 / Navier-Stokes方程式 / 時間局所解 / 時間大域解 / 最大正則性 / 液晶 |
研究開始時の研究の概要 |
液晶はディスプレイをはじめとする様々な工業製品に応用されている.ディスプレイにおいては,液晶の挙動が品質に大きく作用することが知られているが,製造過程で液晶の流れと液晶分子の挙動を同時に考えることは非常に困難であるため,数学をはじめとする理論的な研究が必要である.また,液晶は温度変化にかかわりがあることから,液晶の流動状態をあらわすモデル,さらに温度変化について考慮したモデルを数学的に解析する.
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研究実績の概要 |
ネマティック液晶の分子の運動を表す数学モデルとして Beris-Edward model (Q-tensor model) がある.このモデルは分子の配向方向と配向秩序を表すテンソルに対する発展方程式とNavier-Stokes方程式の連立方程式として記述される.このモデルに対し,以下の研究を行った. 1. 非圧縮性 Beris-Edward model の半空間における考察 レゾルベント問題の解作用素に対するR-有界性からしたがう,時間についてLp, 空間についてLq枠における最大正則性と,最大正則性のクラスで十分小さな初期値に対する時間局所解の一意存在性について論文にまとめ投稿した.次に任意の大きさをもつ初期値に対する時間局所解の存在について考察を行ったが,準線形方程式であることから非線形項の評価に困難が生じたため,現在L2エネルギー法を用いて考察を行っている. 2. 圧縮性 Beris-Edward model の全空間における考察 未知関数である分子の配向状態を表すテンソルがトレースレスであることから,非圧縮性条件が成り立つので,自明解のまわりで線形化を行うと分子の配向状態と流速,圧力を未知関数とした方程式が得られる.まず温度に依存するパラメータの符号について場合分けをし,線形化方程式に対するエネルギー不等式を導出した.この不等式とモデリングの観点からパラメータが正の場合に時間大域解の存在と安定性を得られると予測し,考察中である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Beris-Edward model の線形理論および十分小さな初期値に対する時間局所解の一意存在性について論文を投稿することができた.
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今後の研究の推進方策 |
非圧縮性Beris-Edward modelについては,引き続き半空間において任意の大きさをもつ初期値に対する時間局所解の存在について考察を行う.圧縮性Beris-Edward modelについては,温度に依存するパラメータが正の場合に時間大域解の存在と安定性について考察を行う.
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