研究課題/領域番号 |
21K13820
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分12020:数理解析学関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
後藤田 剛 東京工業大学, 情報理工学院, 助教 (80822105)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 点渦力学 / 自己相似衝突 / エンストロフィー散逸 / 非粘性流体 / 渦運動 / エネルギー保存 / 渦力学 / 粘性流体 / 非粘性極限 |
研究開始時の研究の概要 |
乱流は様々な流体運動に現れる身近な現象であるが, その発生・維持の物理メカニズムの解明は流体力学における重要な問題である. 乱流状態にある粘性流体については, 高レイノルズ数状態におけるある種の散逸メカニズムによって特徴付けられる. 本研究では, 粘性流体の運動を記述する二次元Navier-Stokes方程式の解で非粘性極限において散逸性を持つ解を構成し, さらに, その渦力学を明らかにすることで, 非粘性極限における散逸メカニズムの渦運動による特徴付けを行い, 乱流渦構造の数学的理解を目指す.
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研究実績の概要 |
二次元Filtered-Euler方程式における点渦力学はFiltered-点渦系で記述される。二次元Euler方程式についても、点渦の運動を形式的に記述する点渦系があり、自己相似衝突解の存在が知られている。Filtered-点渦系ではフィルタリングによる正則性で点渦の衝突は起きないが、正則化パラメータ極限では衝突が起こりえることが知られている。昨年度はFiltered-点渦系の4体、5体問題について、点渦系における衝突解の初期値の族に対して、対応するFiltered-点渦系の解が正則化パラメータ極限で衝突し、エンストロフィー散逸することを数値的に示した。ただし、Filtered-点渦系の解の軌道を数値計算をする際には正則化関数を具体的に与える必要があるため、ベッセル関数型の正則化関数で定まるEuler-alpha点渦系を用いた。今年度の研究では, Vortex blob法で用いられる分数関数型や、指数関数型を正則関数とするFiltered-点渦系についても、Euler-alpha点渦系のときと同様に、4体、5体点渦の衝突によってエンストロフィー散逸が起きることを数値的に示した。これにより、点渦の衝突によるエンストロフィー散逸はフィルタリング正則化に対して普遍な性質であることが示唆された。また, 正則化パラメータ極限をとる前の、最もエンストロフィーが減少した時刻におけるFiltered-点渦系の解の配置が、点渦系の相対的定常解と相似であることがわかった。さらに、その点渦配置が一直線上に配置される相対的定常解に相似であればエンストロフィーは減少し、ひし形の相対的定常解に相似であればエンストロフィーは増加することがわかった。これにより、点渦の衝突が常にエンストロフィー散逸を生む訳ではなく、特定の条件下で起きる現象であることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究課題では粘性流体の非粘性極限におけるエンストロフィー変動を調べることを目的としている。3年目の研究計画では、二次元Navier-Stokes方程式の点渦初期値に対する解の挙動の数理解析を通して、粘性流体の非粘性極限においても渦の衝突によるエンストロフィー散逸が起きることを示す予定であった。しかし、非粘性流体における点渦の多体衝突によるエンストロフィー散逸の数値計算とデータの解析に時間がかかったため、二次元Navier-Stokes方程式の解析がまだ研究途中となっていることから「やや遅れている」とした。
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今後の研究の推進方策 |
Filtered-点渦系の正則化パラメータ極限でエンストロフィー散逸するような解について、微小な正則化パラメータおける解のエネルギースペクトルを計算することで慣性領域が現れるかを調べ、二次元乱流を特徴づける統計則との関連について考察する。また、点渦系で有限時間で衝突するような点渦初期値に対する、二次元Navier-Stokes方程式の解について、粘性ゼロ極限におけるエンストロフィー散逸の有無を数値計算によって明らかにする。
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