研究課題/領域番号 |
21K13836
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分12040:応用数学および統計数学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
佃 康司 九州大学, 数理学研究院, 准教授 (30764972)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 統計モデル / 確率分割 / 高次元統計解析 / 統計的漸近理論 / 統計的多様性 / 高次元データ / 共分散行列 |
研究開始時の研究の概要 |
統計学の目的の一つは,興味がある個体の集団である母集団の情報について,その一部である標本から推測することである.近年は観測されるデータが高次元化しており,統計解析の手法についても対応が求められている.本研究では母集団の統計的多様性の推測を対象とし,「高次元データを念頭においた場合の,母集団の統計的多様性を評価・比較するための理論的に正当化された方法を確立する」ことを目指した研究を行う.
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研究実績の概要 |
本研究では,確率モデルにおいて特に統計的多様性に関する推測を深化させることを目的に研究を遂行している.離散型モデルについての研究として,確率分割を対象に性質を調べているほか,統計的推測の方法や応用を考えている.連続型モデルについての研究として,主に多変量正規母集団を対象に母共分散行列に関連した量についての推測法を考えている.また,研究課題に関連があるようなモデルについての研究を行っている. 確率分割を対象とした研究について,前年度に引き続き,ピットマン抽出公式についての調査およびポアソン分布に関連したある種の条件付き分布についての調査を進めた.特に,ピットマン分割の長さの漸近評価について,これまで得られていた結果の考察を深めた.また,ユーウェンス分割を拡張したピットマン分割とは別のモデルについて,新しい推測の方法を模索している. 母共分散行列を対象とした研究について,共通主成分性やallometric extensionモデルの高次元仮説検定法の提案についての研究を進めた.特に,2つの母集団の母共分散行列と母平均ベクトルがallometric extensionという関係にあるかどうかを統計的仮説とした高次元仮説検定の研究について,前年度に得ていた内容を推敲し,新たにデータ解析を行った.また,新たに多変量回帰モデルの一つであるallometric regressionモデルについての研究を始めた. 研究課題に関連する内容としては,オンライン広告の効果測定についての研究を行った.そのほか,高次元確率過程のスパース推定やクラスタリングについての研究を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和4年度は,投稿していた論文の改訂と新しい話題での研究開始を計画していた. 確率分割モデルに関する研究について,ピットマン分割の長さの積率を漸近的に評価した結果について,新たに考察した内容を含めて学会で発表を行った.この結果をまとめた論文については令和4年度も学術誌への掲載決定には至らなかった.また,ユーウェンス分割の性質について,これまでの研究成果を学会で発表し特別寄稿論文として投稿した.母共分散行列の推測に関する研究について,投稿していた多変量正規母集団のallometric extensionモデルに対する高次元仮説検定に関する論文について査読結果を受けて改訂して再投稿した. 新しい話題の研究も始めた.特に,allometric regressionモデルについての研究成果を令和5年度に発表する予定である.そのほか,オンライン広告の効果測定についての研究成果を学会で発表した. 確率分割モデルに関する研究は当初の計画に比べてやや遅れているものの,母共分散行列の推測に関する研究や研究課題に関連する内容についての研究は当初の計画より進んでいる.よって,区分は「おおむね順調に進展している」とした.
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度までの研究方策を引き継いで研究を推進する.特に,令和5年度は,これまでに論文投稿している内容については学術誌への掲載を目指し適切に論文を改訂することを通して研究を進展させること,令和4年度に始めた研究については成果をまとめて対外的に発表することを通して研究を進展させること,によって推進する.
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