研究課題/領域番号 |
21K13848
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分13010:数理物理および物性基礎関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
奥山 真佳 東北大学, 情報科学研究科, 助教 (60844321)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 量子アニーリング / 断熱定理 / 確率微分方程式 / 動的量子相転移 / スピングラス / 西森線 / 断熱時間発展 |
研究開始時の研究の概要 |
量子アニーリングは孤立量子系の時間発展を計算に利用する量子計算方式の一種である。孤立量子系の時間発展は理想的にはシュレディンガー方程式によって記述されるが、現実の実験系では外界の影響を完全に排除することは難しい。外界が孤立量子系に与える影響として、先行研究では熱浴との相互作用や決定論的に生じる制御誤差のみが議論されてきた。しかし、制御誤差には決定論的に生じる誤差だけでなく、確率的に生じる誤差も存在する。本研究課題では確率的に生じる制御誤差をシュレディンガー方程式における確率ノイズとして定式化することにより、確率微分方程式の解析を通じて、確率的な制御誤差が量子アニーリングに及ぼす影響を解明する。
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研究成果の概要 |
本研究ではハミルトニアンに確率的に生じる制御誤差をシュレディンガー方程式における確率ノイズとして定式化することにより、確率微分方程式の解析を 通じて、確率的な制御誤差が量子アニーリングの効率にどのような影響を及ぼすかを解明することを目指した。 (i)確率的な制御誤差が存在するシュレディンガー方程式において、目的の状態を得るために必要な測定回数と制御誤差の強さの間に成立する閾値定理を示した。 (ii)確率的なノイズが存在する2準位系のシュレディンガー方程式の時間発展の厳密解をレプリカ法により求めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
量子アニーリングは孤立量子系の時間発展を計算に利用する。孤立量子系の時間発展は理想的にはシュレディンガー方程式によって記述されるが、現実の実験系では外界の影響を完全に排除することは難しい。外界が孤立量子系に与える影響として、これまでの先行研究では熱浴との相互作用や決定論的に生じるハミルトニアンの制御誤差のみが議論されてきた。しかし、ハミルトニアンには確率的に生じる誤差も存在する。そこで、本研究では確率的に生じる制御誤差をシュレディンガー方程式における確率ノイズとして定式化し、確率微分方程式の解析を通じて、確率的な制御誤差が量子アニーリングの効率にどのような影響を及ぼすかを明らかにした。
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