研究課題/領域番号 |
21K13866
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分13020:半導体、光物性および原子物理関連
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研究機関 | 金沢大学 (2022-2023) 京都大学 (2021) |
研究代表者 |
林 寛 金沢大学, ナノマテリアル研究所, 助教 (50826691)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | ダイヤモンド / 窒素ー空孔ペア / 量子センサ / レーザー加工 / 炭素固溶反応 / ダイヤモンドNV中心 / 量子センサー / 近接場 |
研究開始時の研究の概要 |
量子センサーとして精力的に研究が行われているダイヤモンド中NVセンターを、ダイヤモンド表面に自由に配列する手法を開発する。そのために、高強度光パルスを金属ナノ構造に照射することで生じる局所電場を用いて、ダイヤモンド表面をナノスケール精度で加工する技術を確立する。確立した技術によってダイヤモンド表面へのコヒーレンス時間の長い単一NVセンターの作製、またそのスピン状態の高感度検出を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究課題ではフェムト秒レーザーによる光波長分解能以下の加工とダイヤモンド再成長技術を用いた「表面NVセンターをナノスケール分解能で作製する技術開発」を目指した。その結果、フェムト秒レーザーを用いる事で深さ0.2 nm,幅~100 nmの加工、ナノスケールのダイヤモンド粒子中にNVセンター生成の2つが可能となった。また、Niナノ粒子を用いる事で幅30 nmのライン加工が可能であり、本手法を上記手法に組み合わせる事でさらなる加工分解能を達成できる可能性も示唆した。また、気相化学成長法を用いる事でダイヤモンド(111)状にNVセンターの蛍光が非常に少ないダイヤモンド層を成膜する技術を開発した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
フェムト秒レーザーによる加工手法において、これまでダイヤモンド表面の100 nm領域のみを選択的に、1バイレイヤー深さで剥がす技術はこれまで存在せず、他の加工と比べても特に深さ方向においてはダイヤモンド(111)表面における最小単位での加工分解能を達成した。また、Niによる加工においては、これまで明らかとされていなかったナノスケールでの Niのダイヤモンドエッチング挙動を明らかにするとともに、ダイヤモンド表面においてはじめて1次元ピットの生成を可能とした。これらの成果は今後のダイヤモンド半導体や量子デバイスの発展に欠かせないナノ局所ドーピング手法の開発に繋がる重要な一歩となった。
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