研究課題/領域番号 |
21K13871
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
上田 健太郎 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (40835336)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
|
キーワード | 強相関電子系 / 磁性 / トポロジカル電子系 / トポロジカル物質 / フラストレート磁性 / 磁気転移 / イリジウム酸化物 / トポロジカル電子状態 / 量子輸送現象 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題では、三次元フラストレーション格子であるパイロクロア型酸化物に着目し、局在スピンと遍歴電子の多彩な磁気相関がもたらす新奇トポロジカル電子物性の開拓・究明を目的とする。 従来の磁性トポロジカル絶縁体・半金属の研究の多くは、電子相関が比較的小さい金属間化合物を対象としてきた。フラストレーション格子磁性体に着目することで、以下の利点がある。(i)多様な磁性が生じるため、磁性トポロジカル電子状態について豊富な知見を得ることができる。(ii)外場による容易な相制御が期待できる。
|
研究成果の概要 |
フラストレーション格子であるパイロクロア型酸化物においてトポロジカル物性の開拓をおこなった。 ・パイロクロア型イリジウム酸化物Pr2Ir2O7において、スピンアイス的な磁気秩序と巨大な異常ホール効果を発見した。さらに、金属絶縁体近傍(Nd,Pr)2Ir2O7において巨大な熱電応答を見出した。以上の観測した輸送特性とトポロジカル半金属状態の関連を議論した。 ・Caドープしたパイロクロア型モリブデン酸化物Tb2Mo2O7の単結晶育成に成功した。フィリング制御型金属絶縁体転移を観測し、常磁性金属状態での幾何学的ホール効果を調べた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本課題では、磁性とトポロジカル電子の結合がもたらす新しい物性の開拓を目指した。本課題によって下記が期待される;(i)量子技術への応用が期待されているスピンアイス状態が遍歴系で実現することから、新しいメカニズムによる実現温度の向上や候補物質の拡大が見込まれる;(ii)外場によるトポロジカル電子状態・巨大熱電応答制御により、エナジーハーヴェスティングに有望な物質設計指針を示された;(iii)常磁性体での幾何学的ホール効果を発見したことから、ナノスケールのスピンによる創発電磁気学の学理構築への貢献が期待される。
|