研究課題/領域番号 |
21K13879
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
中村 翔太 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (40824892)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | キラル金属磁性体 / 磁気構造 / 磁気相互作用の制御 / 反対称スピン相互作用 / 反対称スピン軌道相互作用 / キラル磁性 |
研究開始時の研究の概要 |
キラル金属磁性体はキラリティ(掌性)を持ち、磁気スピンが鏡写し右左どちらかの片巻らせん構造が許される。このらせん構造のひねりの数は印加する磁場の強さを変えると、ゼロから数億個まで段階的に変えることができる。本研究では交流磁気抵抗測定からその動的応答を捉え、らせん構造の基本学理を解明する。
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研究成果の概要 |
本研究ではf電子系カイラルらせん磁性体において磁気スピンの“ひねり”の起源であるRKKY型のDM相互作用の基礎学理の構築を目指した。放射光円偏光X線散乱実験によって、我々の研究室で発見された新物質である三方晶GdNi3Ga9とその置換試料で反強磁性一軸キラル磁気秩序状態が発現することを明らかにした。また、ひねりに相当するらせん周期が元素置換によって調整できることがわかった。らせん周期を調整できる系の発見により臨界磁場と温度からひねりの起源であるDM相互作用の大きさを見積もり、磁気構造のひねり角とDM相互作用の関係性を見出すことに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
キラル磁性体は磁気スピンが右巻きあるいは左巻きらせん状に配列した特徴的な磁気構造をもつ。結晶構造を反映して電気磁気の交差相関やカイラル誘起スピン選択効果が観測されており、新しい電気磁気デバイスへの応用が期待できる。強磁性体に比べて100倍速い磁気駆動も報告されており、高周波デバイスとの親和性も高い。本研究ではキラル磁性体を特徴づけるらせん周期の調整に成功しており、本研究分野の系統的な研究に貢献できる。
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