研究課題/領域番号 |
21K13880
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
大同 暁人 京都大学, 理学研究科, 助教 (80884626)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 超伝導 / 量子幾何 / 有限重心運動量超伝導 / 非相反応答 / 多極子 / トポロジカル物質 |
研究開始時の研究の概要 |
近年,多極子をキーワードにした物性の理解が盛んに試みられ,一定の成功を収めた.一方で,量子力学と矛盾しない多極子の定式化・評価は未だ発展途上である.本研究では,多極子の中でも特に対称性の破れに伴って現れるものについて理解を深める.また,関連してブロッホ電子の多極子的性質がクーパー対に転写されることで生じる超伝導現象の探索に取り組む.これらの研究を通して,多極子物性のより豊かな理解に到達することを目指す.
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研究実績の概要 |
本研究は量子力学的な多極子の定式化や評価,および量子力学的多極子に関連した物理現象の探索を目的としている.本年度は,引き続きブロッホ電子の多極子的性質(量子幾何)がクーパー対に転写されることで生じる超伝導現象の探索に取り組み,特にその一般的な仕組みを熱力学量に注目して明らかにした.正常相の場合ブロッホ電子の量子幾何は熱力学量に反映されないが,超伝導相では反映されることが超流動密度について具体的に知られていた.そこで熱力学量一般について定式化を行い,超伝導相の熱力学量に量子幾何がどのように反映されるかについての一般的な理解を得ることができた.その原因はバンド表示における有効的な秩序変数に量子幾何からの補正が入ることであり,これを量子幾何対ポテンシャルと名付けた.これは熱力学量に補正を与えるのみならず,トポロジカル超伝導などのエキゾチック超伝導を設計する上でも有用な概念であることを示した.以上の内容は論文を投稿中である.また,量子幾何由来のスピン三重項超伝導も提案する共同研究を行った.具体的には,量子幾何が発達した系において強磁性ゆらぎが発達することを示し,それによってスピン三重項超伝導の引力が出現する.これまでの超伝導体における量子幾何の研究はほとんどの場合平均場近似問題の範囲で論じられてきたため,超伝導体の多体問題としての側面に光を当てる本成果は重要なものである.この内容は既に論文が出版済みである.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
超伝導体への量子幾何の影響を解明する成果を複数得ることができた.上記の成果に加えて,その他関連するテーマについても論文を投稿した.今後もさらなる発展と関連するテーマへの展開が期待される.
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今後の研究の推進方策 |
超伝導状態・正常相の幾何的性質についての研究を引き続き行う.特に一般の交流応答における幾何的性質を調べる.定式化に加え,具体的な物質を念頭に置いた研究も行う.
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