研究課題
若手研究
近年、共鳴非弾性X線散乱では実験の超高分解能化が進み、強相関物質を調べるプローブとして注目されている。しかし、データ解析には従来のクラスタ模型が変わらず用いられているため、超高分解能スペクトルが含むはずの伝導現象や素励起現象の情報を抽出できず、得られる知見は高分解能化に見合っているとは言えない。本研究では、密度汎関数理論と動的平均場理論に基づく理論枠組を軌道・バンド自由度と素励起間相互作用を扱えるように拡張することで、超高分解能RIXSから強相関物質の伝導現象を解明し、新奇素励起を探知できる新しい解析手法を構築し、強相関物性の問題(超伝導Ni酸化物、エキシトン凝縮、近藤転移)に取り組む。