研究課題/領域番号 |
21K13887
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
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研究機関 | 兵庫県立大学 (2022-2023) 国立研究開発法人理化学研究所 (2021) |
研究代表者 |
北谷 基治 兵庫県立大学, 理学研究科, 助教 (50871331)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 高温超伝導 / 強相関 / 動的平均場理論 / 強相関電子系 / 第一原理計算 |
研究開始時の研究の概要 |
密度汎関数理論(DFT)を用いた物質の第一原理計算は幅広く行われてきているが、電子相関が重要な非従来型超伝導体は取り扱えない。そこで、これまで格子モデルにおいて相関電子系の記述に成功してきている動的バーテックス近似(DΓA)をDFTと融合することによってこの現状を打破し、非従来型超伝導を経験的パラメータに依らず第一原理的に取り扱う手法を構築する。
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研究実績の概要 |
本研究では、第一原理計算と強相関手法である動的バーテックス近似(DΓA)を組み合わせた第一原理DΓAを用いて、非従来型超伝導体に対する定量的な計算の実現を目指している。特に近年発見された無限層ニッケル酸化物での超伝導を対象とし、昨年度までの研究で超伝導転移温度についての実験結果が第一原理DΓAを用いて良く記述できていることを踏まえ、本年度はその他の物理量に関しても実験との比較を進めた。
これまで無限層ニッケル酸化物超伝導体の超伝導転移温度の計算に用いてきた1軌道模型について、動的バーテックス近似で得られた動的帯磁率を解析接続することで、実験に整合するマグノンのスペクトルを得ることができた。このように、超伝導転移温度以外の実験結果との比較を進めることで、非従来型超伝導体の定量計算に対する第一原理DΓAの有用性をより強固なものとすることができた。
また、動的平均場理論の実周波数ソルバーの開発にも取り組んだ。動的平均場理論を用いる際に必要となる、量子不純物問題を解く手法として、これまで絶対零度のみに用いられてきたnatural orbitalを用いた数値手法を有限温度に拡張してその適用範囲を調べ、低温であれば有効的に用いることが出来ることを明らかにした。これにより、厳密対角化などの手法では得ることが困難だった滑らかなスペクトルを数値的解析接続なしで直接計算することが可能となり、輸送係数などの物理量について、より詳細な実験との比較が可能になると期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、転移温度やマグノンスペクトルの定量的な計算を行い、実験と整合する結果を得ることが出来ている。今後は多軌道系への適用や輸送係数の計算へとつなげていく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は輸送係数を含めた相図の作成やより幅広い物質への適用へ向けた手法開発を進めていく。
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