研究課題/領域番号 |
21K13891
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分13040:生物物理、化学物理およびソフトマターの物理関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
伊藤 弘明 千葉大学, 大学院理学研究院, 助教 (10783186)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 懸濁液 / エマルション / マイクロ流路 / レオロジー / 流体相互作用 / 液滴 / 細胞 / マニピュレーション / 赤血球 |
研究開始時の研究の概要 |
多数のやわらかい微粒子が流体に懸濁した系は、細胞懸濁液やエマルションなど、自然界から産業界にわたり普遍的に存在する。本研究では、これらの懸濁液の流動性を制御するための指針となる基礎的な流動原理の解明を目指す。このために、ミクロな懸濁粒子のダイナミクスを詳細に観察可能なマイクロ流体実験を行い、時間的・空間的に現れる特徴的な構造を解析する。さらに、マクロな溶液としての流れやすさとの対応づけを行う。
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研究成果の概要 |
本研究では、やわらかな粒子懸濁液系の流動性を制御するための指針となる基礎的な流動原理の解明を目指し、マイクロ流体実験と解析を行った。具体的には、平面方向の長さに比べ厚み方向の長さが十分に短い擬2次元マイクロ流路を用いて粒径の揃った油中水滴集団系の流動を種々の密度で調べた。その結果として、低密度から高密度にわたって現れる変形の空間構造および、その物理学的なメカニズムである相互作用描像を明らかにした。低密度の流れでは液滴が周囲に生み出す流れ場を介した流体相互作用の寄与が支配的であったが、高密度の流れでは多数の液滴との流体相互作用や直接接触による相互作用の寄与が特徴的に現れていた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
やわらかな粒子懸濁液系の流動特性を制御するための基礎的な流動原理を解明することで、様々な工学的応用や産業プロセスにおける流動制御の基礎的理解を深めたと言える。特に、低密度から高密度における液滴間の相互作用のメカニズムを明らかにしたことで、複雑流体系における物理現象の理解が進展した。また、マイクロ流路を用いた精密な実験を通じて、ミクロスケールでの流動特性を詳細に解析する技術の発展にも寄与しており、マイクロ流体技術の応用範囲を広げるための重要なステップである。これらの研究成果や技術発展は、化粧品、食品、医薬品などの分野で利用される懸濁液製造プロセスにおいて、品質向上や効率化にも資する可能性がある。
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