研究課題/領域番号 |
21K13902
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分14020:核融合学関連
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研究機関 | 核融合科学研究所 |
研究代表者 |
小林 達哉 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 助教 (30733703)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | プラズマ乱流 / 乱流伝播 / トカマク / ヘリカル / ガスパフイメージング / 乱流フロント |
研究開始時の研究の概要 |
乱流フロント伝播の物理機構と、プラズマ乱流輸送に占める役割を実験的に明らかにするため、九州大学応用力学研究所のPLATO装置に、ガスパフイメージング(GPI)計測装置を導入する。PLATO装置には、GPI計測のため高速シートガスビーム噴射装置と、フィルタ受光系を新たに導入する。GPIによる乱流計測を行うことで、乱流が励起され、その場に留まったまま消滅するケースと、乱流フロントが半径方向に伝播されるケースを弁別する。これにより、局所理論が周辺乱流でどの程度成り立つかを示す。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、トーラスプラズマにおいて乱流伝播機構を実験的に明らかにすることである。このために、九州大学のPLATOトカマク装置に新規計測器を導入し、乱流の半径方向相関を計測することを目的としている。2年目となる令和4年度は、計測器の要となるガス入射装置の詳細設計並びに、電磁弁及びドライバの導入をおこなった。ガス入射装置は、トーラス装置のコイルとの干渉がないこと、磁力線とタンジェンシャルな視線を設置する上で視線積分効果をなるべく小さくなることなどの特性が求められる。要求を満たすため、CADを用いた詳細設計を行った。今後は、PLATOトカマク装置の実験進展に合わせて、計測器の導入を進める。 また、PLATO実験以外でも、LHDやJFT-2M装置で得られたデータの解析でも成果をあげた。以下に列挙する。(1) LHD装置で見られる、非接触ダイバータプラズマの自励振動現象をプレデタ・プレイモデルを用いて解析し、磁気島ダイナミクスの需要性を指摘した[T. Kobayashi et al., Phys. Rev. Lett. 128, 085001 (2022)]。(2) LHD装置の電子内部輸送障壁(ITB)の同位体効果を明らかにするため、重水素と軽水素でそれぞれ生成したプラズマの比較実験をおこなった。重水素プラズマでは電場構造が形成されやすく、(ITB)遷移が起こりやすいことを示した[T. Kobayashi et al., Sci. Rep. 12, 55o7 (2022)]。(3) JFT-2M装置において、電場構造とGAMの相互作用を解析した。LH遷移前の周辺電場揺動が、乱流伝播を介して非局所的にGAMの励起に影響を与える可能性を議論した[T. Kobayashi et al., Plasma Phys. Control. Fusion 64, 144002 (2022)]。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
COVID19の影響で九州大学への出張及びPLATOトカマク装置での実験参加の機会は限られたが、リモート会議などを活用した打ち合わせなどで研究を進めた。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度は、九州大学への出張回数を増やし、ガスパフイメージング分光計測装置の導入と試験を進める。計測器導入は、PLATO装置のプラズマ生成実験の進展に合わせて進める。PLATO装置での計測器導入の計画が遅れた場合、LHDなどの他の実験装置での実験・データ解析を進め、目的である「乱流伝播機構の実験的解明」を達成するための研究を進める。
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