研究課題/領域番号 |
21K13904
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分14020:核融合学関連
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研究機関 | 核融合科学研究所 |
研究代表者 |
山口 裕之 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 助教 (90797101)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | 核融合 / 最適化 / 遺伝的アルゴリズム / ダイバータ配位 / 準軸対称配位 / 準対称配位 / 新古典輸送 / 高エネルギー粒子 / ダイバータ |
研究開始時の研究の概要 |
経済的な磁場閉じ込め核融合炉を実現する上で、プラズマの安定性、高い閉じ込め性能、プラズマから流出する粒子と熱を開いた磁力線で壁へ誘導するダイバータ配位での定常運転が成立する条件を見出すことは重要な課題となっている。本研究では、閉じ込め磁場を生成する外部コイルの形状を直接の変量としプラズマの物理特性と装置の工学特性を同時に最適化する、核融合炉設計のための新しい数値的最適化スキームを開発する。従来の最適化では考慮できなかった離散コイル、自由境界平衡、周辺磁場構造を評価関数に組み入れる。スーパーコンピュータも活用した大規模な最適化を実施し、これまでの課題を解決する核融合炉の具体形を提案する。
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研究実績の概要 |
本年度は,本計画で開発している閉じ込め配位最適化コードOPTHECSのプラズマシミュレータへの移植をまず完了させた.前年度まで問題となっていたMPI並列コードからの要素コード呼び出しについて,CPU割当の工夫によって適切に実行可能であることが明らかとなったため,予定していた新しいアルゴリズムへの転換は行わないこととした.LHD型の連続ヘリカルコイルに基づく磁場配位について,ブランケット設置スペースの拡張とプラズマ閉じ込め改善の2つの方向性で最適化を進めた.真空磁場に対して磁力線が統計的に振る舞うエルゴディック層の厚みを評価するルーチンを開発した.これをOPTHECSに組み込み,プラズマとコイル中心との距離を増大させる最適化をB-spline自由曲線コイルに対して施すことで,ブランケット設置スペースを10%程度の増大させた配位の構築に成功した.上記の成果を,昨年度の成果と合わせて,国際ステラレータ・ヘリオトロンワークショップにおいて招待講演として発表した.LHD型コイル配位のもう1つの方向性の最適化として,有限ベータ効果を考慮した自由境界平衡に基づき,新古典輸送の低減とMHD安定性の改善を図る最適化を進めた.MHD安定性の指標には回転変換がm/n=1となる有理面における規格化されたMercier indexを用いた.結果として,中心ベータ3-5%においてMHD安定性を同程度に保ちつつ,新古典輸送を改善した配位が得られることがわかった.STELLOPTとのベンチマークについて,比較用のテストケースとして,OPTHECSにより,プラズマ体積全域にわたる磁気井戸を有する周期数2,アスペクト比4.15の新しい準軸対称磁場配位を構築した.この配位はCFQSに比べて極めて高い軸対称性を示すことがわかった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は,プラズマシミュレータへのコードの移植が完了したことにより,コード開発が進展し,LHD型配位の最適化や,前年度までに得られた準ヘリカル対称配位ヘリカルコイルの高度化,新しい準軸対称配位の構築などを実施することができた.一方,前年度に導入したメニーコアワークステーションが本年度の途中で故障し復旧できなくなるという想定外の事態が生じ,同計算機で予定していた一部の計算が年度内に実施できなかった.このため,STELLOPTとの比較について,OPTHECSによる比較用配位データを作成するにとどまっている.HINT2およびEMC3-EIRENEによる詳細な平衡解析および周辺プラズマ解析についても,同様の理由により実施できなかった.これらのことを鑑みて,やや遅れていると判断する.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,まず,これまでに構築した磁場配位の磁気面データに対して,STELLOPT2を用いた比較計算を実施し,ベンチマークを完了させる.比較用の磁場配位とその計算条件自体は既に準備ができている.ワークステーションを復旧できる見通しが立っていないため,過去にSTELLOPT2を実行したことのあるPC環境を再整備して,比較計算を行うこととする.ベンチマーク計算については年度前半の早期に完了させる.次に,本課題で構築したヘリカルコイル配位に対して,周辺磁場構造の解析を進める.これを実施するにあたり,HINT2による平衡については,本計画で得られたLHD型コイル配位に対して共同研究者が実施した計算データの提供を受ける.これを用いて磁力線追跡によるフットプリント解析と,EMC3-EIRENEを用いた周辺プラズマ輸送解析を行う.計算環境としては,プラズマシミュレータまたは研究所内の共用サーバを利用する予定である.その結果を用いて,磁力線結合長と仮想壁上の磁力線フットプリント分布を用いた熱負荷簡易モデルの検証を進める.熱負荷簡易モデルを最適化計算に導入し,ダイバータ配位とプラズマ閉じ込めの改善をターゲットとした最適化を実施する.
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