研究課題/領域番号 |
21K13906
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分14030:プラズマ応用科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐々木 渉太 東北大学, 工学研究科, 助教 (90823526)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 大気圧プラズマ / 大気放電 / 五酸化二窒素 / 活性酸素種 / 活性窒素種 / 活性硫黄種 / プラズマー液体界面 / カルシウムシグナリング |
研究開始時の研究の概要 |
大気中放電により生成される活性種(一酸化窒素や一酸化炭素等)には,いわゆる「毒ガス」,言い換えると生理活性の高い化学種が多く見つかる.この事実は,長年の時間を要し複雑なシステムに成り立った生命の進化過程における放電活性種・放電誘起反応場の関与を示唆している.本研究は,大気組成と海洋溶存ガス組成の変遷を模した放電によって誘起される気相・液相反応場を理解することで,新たな生理活性分子種(群)を探索し・制御合成することを目的としている.具体的には,放電由来の気相・液相活性種の計測と化学反応モデリング,及び高い生理活性作用を持つ活性種の探索を実施し,新たな生理活性分子種(群)の制御合成を目指す.
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研究成果の概要 |
本研究は,大気放電活性種が誘起する気相・液相反応場を理解すること,その知見を基に生物作用が未知の放電由来活性種を制御合成すること,さらには生理活性の高い新しい放電由来活性種を同定することを目的として研究を行った.大気放電誘起反応場の理解を深め,五酸化二窒素 (N2O5) という生物作用が未知の活性種を,大気からその場制御合成することに成功し,N2O5が硫化水素をポリ化する作用,アミノ酸を改質する作用を有することを明らかにした.さらに,N2O5は植物に感知され生理応答を誘起する生理活性分子種であることを見出した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
五酸化二窒素の選択合成技術とその気相化学反応モデルの確立,五酸化二窒素という新規生理活性分子種の同定に至ったため,学術的意義は大きいといえる.また,100 W以下の電力消費で,周辺大気から,300 ppmの五酸化二窒素をその場で選択合成可能な本技術は,学術分野のみならず社会における五酸化二窒素の活用を大きく推進する画期的合成技術であり,社会的意義の大きい成果である.
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