研究課題/領域番号 |
21K13926
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分15010:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する理論
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研究機関 | 長岡工業高等専門学校 |
研究代表者 |
酒井 一樹 長岡工業高等専門学校, 電子制御工学科, 助教 (40824298)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 重力波 / ディープラーニング / 適応型モード分解 / ニューラルネットワーク |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は重力波観測による重力理論検証の可能性を広げるために,リングダウン重力波を高精度に抽出する新しいデータ解析手法を構築するというものである。 線形時不変であり通過帯域がフラットなバターワースフィルタに着目し,そのフィルタパラメータをディープラーニングで最適化してモード分解を行うという,新しいアプローチでありながら結果の信頼性が保証される方法で,高精度なリングダウン重力波抽出手法の構築を目指す。
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研究実績の概要 |
ディープラーニングと適応型モード分解の融合による高精度なリングダウン重力波抽出法の構築に向け、ディープラーニングによってバターワースバンドパスフィルターを設計するプログラムの改良において大きな成果をあげることができた。 フィルター設計に用いていたディープラーニングのモデルを畳み込みニューラルネットワーク(CNN)をベースにしたものから、CNNと再帰型ニューラルネットワークの一種であるLong-short term memory (LSTM)を組み合わせたCNN-LSTMというモデルをベースにしたものに変更した。これにより、幅広いSNRに適用可能なモデルとなった。また、LIGOの公開しているO2期間の実ノイズを使い、実ノイズに対しても有効であることを確認した。 そして、適応型モード分解手法であるHilbert-Huang変換との融合についても取り組んだ。前述のフィルター設計モデルを用いて、リングダウン重力波周辺の帯域を自動で抽出し、その後、Hilbert-Huang変換と融合させることで、リングダウン周波数の推定を可能にした。この結果、手動でフィルター設計した場合の結果と同等の精度での推定が可能であることを明らかにした。 最後に、Hilbert-Huang変換自体の高度化として、Time-Frequency-Amplitudeマップ(T-F-Aマップ)の表示において、カーネル密度推定を用いて複数モードの重なりを連続的に表現できるような方法を構築した。これにより、Hilbert-Huang変換によるT-F-Aマップをディープラーニングの入力に用いた場合の有効性を増すことができ、手法の発展する方向性を増やすことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画では、2023年度はシミュレーションデータを用いて手法の検討を行う段階であり、それは達成できた。2024年度に改良を進め、実観測データを用いた評価を行うことを目指す。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、ディープラーニングとHilbert-Huang変換を組み合わせたリングダウン重力波の抽出について、手法の高度化や、実観測データでの評価に取り組んでいく。
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