研究課題/領域番号 |
21K13927
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分15010:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する理論
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研究機関 | 京都大学 (2022-2023) 名古屋大学 (2021) |
研究代表者 |
杉下 宗太郎 京都大学, 理学研究科, 助教 (10784217)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 漸近対称性 / 量子電磁気学 / AdS/CFT対応 / 量子重力 / celestial holography / 量子もつれ / 赤外問題 / 行列模型 / ホログラフィー / 場の量子論 |
研究開始時の研究の概要 |
量子重力理論の定式化は理論物理学における積年の課題である。量子重力理論定式化の鍵となると思われる概念にホログラフィーというものがある。これは「重力理論の自由度をホログラムのように低次元に埋め込むことができる」という考え方である。
本研究では、漸近的に平坦な時空における重力理論のホログラフィーについて、主に漸近対称性と呼ばれる対称性に基いて、考察を行う。また、場の量子論・重力理論における漸近対称性の一般的性質に関する研究も行い、その意味や役割についての知見を深める。
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研究実績の概要 |
今年度は主に以下の研究に取り組んだ。 [量子電磁気学におけるドレス状態]: 前年度に引き続き量子電磁気学において、S行列の赤外発散を生じないドレス状態に関する研究を行った。ドレス状態を用いた赤外有限なS行列の具体的計算を進めている。 [celestial holography]: celestial holographyは平坦時空のホログラフィーの予想の一つであり、4次元理論のS行列と2次元理論の相関関数を関係づけるものである。他のグループによる提案を使うと、4次元理論に無質量粒子が存在する場合、2次元理論の2点相関関数はデルタ関数になってしまう。一方、有質量粒子の場合は、2点相関関数は距離のべき乗則で振る舞う。本研究では、影変換というものを用いて、無質量粒子の場合のS行列と相関関数の関係の新しい提案を行った。この提案だとデルタ関数の問題はなくなる。さらに、有質量粒子に対する従来の提案で使われている共形プライマリ波動関数の無質量極限は、我々の提案で使われる波動関数と一致する。 [AdS/CFT対応における部分領域双対性の不成立]: 前年度に引く続き、AdS/CFT対応における部分領域双対性が成り立っていないことを示す具体的計算を行った。具体的には、部分領域双対性において重力理論側で一見同じと思われる2つの演算子がCFT側で異なるエネルギー分布を持つことから、実際には異なる演算子であるということを示した。また、なぜ部分領域双対性が成り立たないのかを考察し、CFTの自由度の有限性によるカットオフ効果が重要であるということを推察した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
[量子電磁気学におけるドレス状態]: 赤外有限なS行列の具体的解析は当初の予想以上に概念的な困難や煩雑な計算に直面し、なかなか計算が完了しないでいる現状は計画通りとは言えない。 [celestial holography]: 当研究課題の目的である平坦時空のホログラフィーに対して、具体的な提案の一つであるcelestial holographyに関する研究成果を得たことは進展であると言える。無質量粒子の場合の従来の提案は見直されるべきであり、本研究での新提案によって通常のべき乗則型の2点関数を得たことで、演算子積展開の技術を使って2次元理論の性質を調べられる可能性がある。
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今後の研究の推進方策 |
前年度までの研究で得た赤外発散を起こさないドレス状態を用いて、赤外有限なS行列を解析するとともに、ドレス状態を用いることで準主要なソフト定理にどのような修正が加わるかを調べる。また、ドレス状態を用いることで、celestial holographyがどう影響を受けるかを調べたい。
さらに、celestial holographyにおいて今年度の研究による新提案に基づき、2次元理論の3点や4点の相関関数を解析し、演算子積展開や交差対称性との整合性を調べ、2次元理論がどういう理論かを突き止めたい。
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