研究課題/領域番号 |
21K13932
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分15020:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する実験
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
細川 佳志 東京大学, 宇宙線研究所, 特任助教 (80785105)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | ガス検出器 / アクシオン / 余剰次元 / 低圧ガス / TPC / 低放射能技術 |
研究開始時の研究の概要 |
余剰次元を伝搬するアクシオン(KKアクシオン)は,素粒子物理学の謎である強いCP問題とゲージ階層性問題を同時に解決可能な未発見の素粒子である。太陽内部で生成され重力的に太陽系内に捉えられた太陽KKアクシオンは約10keVの質量と有限な寿命を持ち,その崩壊で放出される二光子を捉える事で地球でも観測の可能性がある。低圧ガス検出器は二光子を分離して検出でき,強力な背景事象除去能力が得られる。また崩壊事象頻度は有効体積のみに依存し,低圧ガス検出器はその拡張性が高い。本研究では,低圧ガスを用いた探索手法の確立と観測開始を目指す。本研究による1年以上の観測は先行研究による制限を更新すると期待される。
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研究成果の概要 |
Ar:C2H6(9:1)混合ガスを封入したマイクロピクセルチェンバー検出器(10x10x1cm3)を用い、ガス検出器によるKKアクシオン探索の原理検証実験を行った。Fe-55の放射する5.9keVによって,3keVのAr特性X線が発生する。また,残りの3keVも同時に検出が可能である。これら(3keV+3keV)を同時検出することで,本研究がKKアクシオン崩壊信号(5keV+5keV)を十分観測可能であることを確認した。また、観測用の検出器(10x10x10cm3)を製作した。線源による信号を検出できることを確認後、安定観測を目指した調整を行っている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
余剰次元を伝播するアクシオン"Kaluza-Klein(KK)アクシオン"は素粒子物理学の謎を複数解決可能な,未発見の素粒子である。太陽内部で生成され重力的に太陽系内に捉えられた”太陽KKアクシオン”は10keV程度の質量と有限な寿命(10^11 ~ 10^17日)を持ち,その崩壊によって放出される二光子(5keV+5keV)を捉えることで地球でも観測の可能性がある。本研究で用いるガス検出器では二光子を分離して捉えられるため強力な背景事象除去能力が得られる。また,検出器内崩壊頻度は有効体積のみに依存する。ガス検出器はの大型化は比較的容易で,有効体積拡張性の高さも本研究の強みである。
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