研究課題/領域番号 |
21K13949
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分15020:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する実験
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研究機関 | 神奈川大学 (2023) 東邦大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
白石 卓也 神奈川大学, 理学部, 助教 (00866121)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 暗黒物質直接探索 / 原子核乾板 / ナノ粒子発光 / 粒子識別 / 暗黒物質 / イオン励起発光 / ナノ半導体 / 発光 |
研究開始時の研究の概要 |
暗黒物質候補WIMPに対し、その到来方向が決定可能な超微粒子原子核乾板(NIT)を用いて、WIMP探索限界とされるニュートリノフロアを超えた探索を行うことが大目的である。NITは100nmの飛跡を記録できる世界最高の空間分解能をもつ固体検出器であり、反跳エネルギーの小さな原子核の方向決定が可能であるが、その飛跡探索は光学顕微鏡飛跡読取装置の解析速度制限や、光学像のぼやけによる識別能の低下を受け、原理的な検出器性能限界を引き出せていない。そこで、NITの荷電粒子応答の一つである発光を飛跡探索において用い、サブミクロンの分解能を保持したまま大質量かつ低Background解析の手法開発を行う。
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研究成果の概要 |
銀河系内の暗黒物質によって期待される数十keV程度の反跳原子核の方向を検出するために、我々は超高分解能の原子核乾板飛跡検出器NITを用いた実験を推進している。NIT中に高密度で分散されたAgBr:I半導体ナノ結晶は、一粒一粒が荷電粒子の飛跡を記録するセンサーであると同時に、高効率な発光も起こる。本研究の最終目標は、反跳原子核の飛跡を発光から位置特定することで、光学顕微鏡のみでの飛跡探索の解析速度限界を超えた探索方法を確立することである。それに先立ち、本課題ではNITの発光情報を引き出すための検出技術の開発に加え、エネルギー損失量の異なる様々な荷電粒子を照射した際の発光応答の基礎研究を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
宇宙全体のエネルギーの約1/4を占める暗黒物質は、宇宙の進化において欠かすことのできない未知の重力源であり、直接探索によるその粒子的性質の解明が自然科学における最重要課題の一つとなっている。本研究は、天文学的運動方向の決定が可能な暗黒物質探索を目指すものであり、これまでとは全く異なる証拠を示すことができる。さらに、本手法はAgBr:Iナノ結晶の発光情報の付与という従来の原子核乾板解析技術の延長ではない全く新しい方法であり、100 nmスケールの飛跡の大規模解析という困難さを補うために、観測可能なあらゆる荷電粒子応答を活用しようというアプローチである。
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