研究課題/領域番号 |
21K13953
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分16010:天文学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
播金 優一 東京大学, 宇宙線研究所, 助教 (90896903)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 遠方銀河 / 重力レンズ / CMB / 銀河形成 / 銀河進化 / すばる望遠鏡 / 観測的宇宙論 / 可視光天文学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではすばる望遠鏡の広領域可視光カメラHSCで初めて構築可能になった宇宙論的遠方銀河サンプルを用い、宇宙の晴れ上がりと近傍宇宙の間の赤方偏移z~4でLambda-CDM標準宇宙論が正しいのかを世界に先駆けて検証する。 クラスタリング解析と宇宙背景放射重力レンズ効果を組み合わせ、z~4での構造成長速度を調べ、プランク衛星のLambda-CDM標準宇宙論と無矛盾なのか、他の新しい物理の存在が必要なのかを調べる。
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研究実績の概要 |
前年度にすばる望遠鏡/Hyper Suprime-Cam探査のデータを使って構築した約400万個の赤方偏移z~2-7からなる大規模遠方銀河サンプルを用いて、宇宙論パラメータの一つであるsigma8パラメータの制限を試みた。z~4銀河サンプルの周りでPlanck衛星のCMB重力レンズ信号mapをstackingすることで、z~4の遠方宇宙においてCMB重力レンズ信号をはじめて検出することに成功した。さらに銀河の角度相関関数を計算し、その観測結果を用いてsigma8パラメータと大スケール銀河バイアスの縮退を解くことで、sigma8パラメータを赤方偏移4の宇宙で初めて制限した。得られたパラメータは標準的なLCDMモデルの予言に比べて少し低い値が得られたが、不確かさの範囲内で無矛盾であった。 以上の研究成果を論文にまとめ、Miyatake, Harikane et al. (2022), PHYSICAL REVIEW LETTERS 129, 061301で報告した。また本研究成果については2022年8月にプレスリリースを行った。
またJames Webb Space Telescope (JWST)の初期観測データを用いて赤方偏移z~9-16の遠方宇宙で銀河を選択し、UV光度関数および宇宙全体の星形成率密度を調べた。得られたUV光度関数はz~9においては過去のハッブル望遠鏡の結果と無矛盾であったが、z~12では銀河形成モデルの理論予測より高く、また星形成率密度もモデルに比べて減少が緩やかになることがわかった。これはz>10の遠方宇宙においては、IMFや星形成効率等がz<10に比べて異なることを示しているのかもしれない。 以上の結果を論文にまとめ、Harikane et al. (2023), The Astrophysical Journal Supplement Series, Volume 265, Issue 1, id.5, 27 pp.で報告し、複数の招待講演を含む国際・国内会議で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
z~4の遠方宇宙においてCMB重力レンズ信号を検出することに成功し、本研究の道筋がついたため。
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今後の研究の推進方策 |
今後はすばる/Hyper Suprime-Camサーベイの全データや、他の望遠鏡で取られた大規模データに加えて、Atacama Cosmology Telescope (ACT) の測定で得られたCMB 重力レンズマップを使うことでsigma8パラメータの決定精度を高める予定である。またJWSTやEuclid等の宇宙望遠鏡を用いた遠方宇宙研究も展開していく。
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