研究課題/領域番号 |
21K13955
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分16010:天文学関連
|
研究機関 | 立命館大学 (2023) 東京大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
川内 紀代恵 立命館大学, 理工学部, 助教 (70851418)
|
研究期間 (年度) |
2021-11-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | 太陽系外惑星 / 惑星大気 / 近赤外高分散分光 / 系外惑星大気 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、トランジット系外惑星探査衛星(TESS)で新たに発見された小型惑星大気中のヘリウム存在の有無を、すばる望遠鏡に搭載されている近赤外高分散分光器(IRD)を用いて高精度に調査し、提唱された理論と比較することで、個々の大気構造に制約を与える。また、複数の惑星を観測することにより、小型惑星の大気構造に観測的示唆を提供することを目指す。
|
研究実績の概要 |
現在5000個以上発見されている系外惑星のうち最も普遍的な惑星は、太陽系には存在しない地球よりは大きく海王星よりは小さい惑星(小型惑星)である。これ らの惑星がどこで形成されどのように進化してきたかを調査するには、惑星大気を直接観測し大気構造を理解する必要がある。 本研究の目的は、小型惑星大気 中のヘリウム存在の有無を観測し、提唱された理論と比較することで、個々の大気構造に制約を与えることである。本年度は、すばる望遠鏡の故障や悪天候等により新たな天体は観測できなかったため、昨年度までにすばる望遠鏡に搭載されている近赤外高分散分光装置(IRD)で観測した天体について簡易な理論モデルを公開コードを用いて作成し比較することで、非検出の結果から質量散逸率や高層の温度を制約した。この結果について、国際学会でポスター発表をおこなった。 また本研究は、トランジット系外惑星探査衛星(TESS)で新たに発見された太陽系近傍のM型星まわりの惑星である。M型星まわりの惑星大気中のヘリウムは、存在すれば観測しやすいにもかかわらず未だ2天体しか検出されていない。この原因を探るため、今後は比較的検出しやすい半径の大きな惑星についても観測を行う予定であり、すばる望遠鏡に観測提案を提出した。現在、M型星まわりの惑星は増えてきているが、質量が正確に測定されているものは未だ少ない。そこで、TESS で新たに発見した惑星の質量測定の観測にも引き続き貢献する予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度はすばる望遠鏡の故障による観測中止等があり、新たな惑星での観測ができなかった。また、簡易モデルを作成し質量散逸率や高層の温度を制約する上で重要な情報である質量を求めるための観測も既にヘリウム観測を行っている1天体においてできなかった。しかし、既に観測済の天体においては簡易モデルと比較し、質量散逸率や高層の温度を制約することはできたので、やや遅れているという区分とした。
|
今後の研究の推進方策 |
次年度は、引き続き新たな天体におけるヘリウム観測の観測提案をし継続的な観測を行うとともに、これまでの天体で得られた結果と様々な恒星や惑星のパラメータを比較し、先行研究を含めて相関等を調べていく。また、M型星まわりの小型惑星のヘリウムの非検出が多い。この原因が惑星大気構造によるものなのか恒星からの影響によるものなのかを調査するために、近年発見されてきたM型星まわりの水素ヘリウムガスを持つと考えられる半径の比較的大きな惑星においても観測を行う予定である。
|