研究課題/領域番号 |
21K13967
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分16010:天文学関連
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研究機関 | 国立天文台 |
研究代表者 |
古家 健次 国立天文台, 科学研究部, 特任助教 (80783711)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 星間化学 / 原始惑星系円盤 / ダスト / ダスト進化 |
研究開始時の研究の概要 |
惑星は原始惑星系円盤の中で生まれ,初期元素組成を獲得する.円盤の各領域に揮発性物質-水や一酸化炭素を含む様々な分子-がどのような存在形態(気相あるいは固体微粒子表面を覆う氷)でどれほどの量存在するのか,すなわち円盤化学構造の理解は,円盤の中で形成される惑星の表層組成やバルク組成を理解する上で必須である.本研究では,円盤化学構造の進化を観測的性質を含め数値シミュレーションにより明らかにする.本研究で得られる理論的成果を観測研究と結びつけることで円盤化学構造進化を解明し,惑星組成の理解に向けた基盤を作ることを目指す.
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研究成果の概要 |
本研究はダストの合体成長に伴う原始惑星系円盤の化学進化を明らかにすることを目的とした。具体的な成果として、原始惑星系円盤内のダスト沈殿、乱流による物質輸送、気相・固相化学反応を整合的に解くモデルを構築した。その結果、円盤ガスが百万年程度のタイムスケールで酸素・炭素に対し相対的に窒素に富んだ組成になること、ガス・ダストの輸送や化学反応のみでは観測されているような高いC/O比を持つ円盤ガスは実現されないことを明らかにした。後者は炭素質ダストの破壊によるガスへの炭素供給メカニズムが重要であることを示唆する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、原始惑星系円盤の元素組成が場所ごとに時間変化し、星間空間の元素組成とは大きく異なりうることを理論的に示した。このことは惑星の材料物質の元素組成が多様であり、かつ時間変化することを意味しており、惑星組成の理解が単純ではないことを示唆している。また本研究で構築した理論モデルはALMAなどによる原始惑星系円盤の分子輝線観測の解釈においても有用である。
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