研究課題/領域番号 |
21K13984
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分17010:宇宙惑星科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 (2023) 国立研究開発法人理化学研究所 (2021-2022) |
研究代表者 |
川島 由依 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 特任助教 (40897691)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 系外惑星 / 褐色矮星 / 大気組成 / 惑星形成 / 原始惑星系円盤 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、系外惑星大気の元素存在度から惑星の形成過程、また形成時の原始惑星系円盤の環境を解明することを目指す。そのために、観測可能な大気の元素存在度が、円盤の乱流強度や惑星の形成場所、惑星移動の有無にどのように依存するのかを明らかにする。加えて、実際に系外惑星大気の観測を行い、構築したモデルを適用することにより、その惑星の形成過程と形成時の円盤環境を明らかにする。この理論・観測両面からの研究により、惑星形成論の大きな未解決問題である、「惑星が形成時に大規模な移動を経験するか」を解明する。
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研究実績の概要 |
本研究では、大気の元素存在度から惑星の形成過程を明らかにすることを目指す。そのために、系外惑星や、惑星と恒星の中間質量をもつ天体である褐色矮星の大気の観測を行い、観測スペクトルから大気の元素存在度を推定する方法を確立することと、大気の元素存在度を基に、惑星の形成過程(円盤内での移動の有無や形成場所)を解明することを目指す。 本年度は、すばる望遠鏡の高分散分光器IRD (InfraRed Doppler) を用いて観測した、主星をもつ褐色矮星の大気スペクトルの解析を引き続き行った。共同研究者と開発した高分散スペクトル用の逆問題推定コードExoJAX (Kawahara, Kawashima et al. 2022)を観測スペクトルに適用した結果、大気の化学組成や温度構造を高精度に制約することができた。 当該天体については、これまでの中分散分光観測から、主星とは大きく異なるC/O比が推定されていた。大気のC/O比は、惑星の形成過程を探る指標として着目されているが、褐色矮星質量の天体の形成過程を考えると、このような主星と大きく異なるC/O比は説明がしづらい。一方、今回の我々の高分散分光スペクトル観測の解析からは、主星と一致するC/O比が得られた。この先行研究の中分散分光観測と我々の高分散分光観測の結果の不一致については、現在、原因を探っているところである。褐色矮星は、形成過程に比較的不定性が少なく、系外巨大惑星と同様の温度・組成をもち、かつ高精度な大気スペクトルの観測が可能である。このような褐色矮星を用いて、大気のC/O比が本当に惑星形成過程を探る指標として使えるのか、妥当性の確認を行うことは、この手法を惑星質量天体に適用する前に必要不可欠であると言える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでにほぼ例のない、褐色矮星大気の高分散分光スペクトルの観測と、観測スペクトルに対する逆問題手法を組み合わせたことで、惑星形成過程のプローブとして着目されている大気のC/O比の推定に大きな不定性が残っていることがわかった。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は引き続き、すばる望遠鏡を用いて観測した褐色矮星大気の高分散スペクトルについてのデータ解析を進め、観測スペクトルから大気の元素存在度を推定する方法を確立し、観測された系外惑星の大気の元素存在度を基に、それらの惑星の形成過程(円盤内での惑星移動の有無や形成場所)を解明する。
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