研究課題/領域番号 |
21K13986
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分17010:宇宙惑星科学関連
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研究機関 | 九州大学 (2022-2023) 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 (2021) |
研究代表者 |
山本 大貴 九州大学, 理学研究院, 助教 (00846868)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 酸素同位体進化 / 始原的太陽系物質 / 原始太陽系円盤 / 一酸化炭素 / 非晶質ケイ酸塩 / 難揮発性包有物 (CAI) / 非晶質珪酸塩 / 難揮発性包有物メルト / 水蒸気 / 酸素同位体交換 / CAIメルト / COガス / 酸素 / 同位体 / 始原的固体物質 / 物理化学条件 |
研究開始時の研究の概要 |
惑星材料の誕生・進化の場である固体物質と希薄なガスからなる原始太陽系円盤は、太陽系天体の多様性の理解を目的とした多くの理論・観測・分析・実験研究の対象である一方、その場の温度や圧力などの物理化学条件の解明は未だ不十分である。本研究では、この解明のため、太陽系固体物質に見られる数%に及ぶ酸素同位体組成の多様性に注目する。この酸素同位体組成の多様性は、固体物質とCOやH2Oといった円盤ガスとの同位体交換反応に起因する。本研究では、始原的固体物質とCOとの酸素同位体交換反応を室内実験から始めて検証することで、同位体多様性を作った化学反応の全貌を解明し、原始太陽系円盤の物理化学条件の制約を試みる。
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研究成果の概要 |
本研究では、原始太陽系円盤の物理化学条件の解明のため、非晶質ケイ酸塩や難揮発性包有物 (CAI) メルトとCOガスとの酸素同位体交換反応や速度を室内実験から初めて検証した。その結果、非晶質ケイ酸塩に関しては、非晶質ケイ酸塩が全体の酸素同位体平衡を促進する触媒となり、太陽系の多くのケイ酸塩粒子が定常降着円盤中で~600-700 Kの温度を経験したことがわかった。CAIメルトに関しては、全体の同位体交換反応速度はCAIメルトとH2Oガスとの同位体交換速度で決定され、溶融CAIは~1400度、全圧100 Pa以上の条件下で合計~2-3日程度加熱されたことがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで定性的にか議論されてこなかった地球外物質の酸素同位体組成に関して、室内実験による反応速度データを用いて解釈をおこなうことにより、惑星材料物質 (隕石構成物質) が経験した原始太陽系円盤の物理化学的条件を分析データから定量的に引き出すことが可能となった。これにより物質化学的証拠に基づいた信頼性のある原始太陽系円盤モデルの構築が可能となることが考えられ、他の原始惑星系円盤に対しての太陽系の特異性・普遍性の解釈につながる可能性がある。
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