研究課題/領域番号 |
21K13989
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分17020:大気水圏科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
中山 佳洋 北海道大学, 低温科学研究所, 助教 (30840201)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 南大洋 / 南極 / 棚氷 / 海面上昇 / データ同化 / 数値シミュレーション |
研究開始時の研究の概要 |
海水準変動予測で、最も不確かな要素が南極氷床である。南極沿岸域の海がの変動をコントロールすることがわかり、その理解が急務である。世界最先端の研究は、観測データは数が不十分で、モデルは過去の観測データの再現性が乏しいために、大きく前進できていない。研究代表者らは、棚氷融解が卓越しているアムンゼン海、トッテン氷河/棚氷沖の海洋領域モデルを開発してきた。モデルを安価/高速に駆動できるよう、研究的に重要で、観測データが南極沿岸域の中では多く存在する狭い領域に注目し、(a)綿密な観測とモデルの比較、(b)膨大な数の感度実験を可能にし、同化がうまくできていない理由を特定し、同化プロダクトを開発する。
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研究実績の概要 |
本課題は、アムンゼン海を含む西南極モデル、トッテン棚氷を含む東南極モデルの両者について開発を進めている。両地域において、棚氷の融解が南極大陸から 海への氷の流出を促進し、海面上昇へ寄与することが危惧されている。海洋モデルを用いて、温かい水塊の棚氷下部への流入経路の特定と、その変動要因の理解が求められている。
昨年、報告したように、西南極モデルについては、アジョイント法を用いたデータ同化を実施し、ある程度良い観測との一致が見られた。この課題については、すでに論文として投稿し、Geoscientific Model Development誌に掲載済みである。また、棚氷下部から海へと流出する氷河融解水の影響を見積もった実験(Geophysical Resrach Letters掲載済み)も実施した。さらに、本年は、西南極モデルの高解像度化を行い、さらに、急激に棚氷が融解し、海面上昇に寄与しているとされるパインアイランド棚氷、スウェイツ棚氷の融解の原因を探るためのモデル解析を実施した。結果、これまで、同海域の風が棚氷の融解量を決めているという説が有力であったが、本研究の結果から、沿岸流と底面摩擦の相互作用によって、棚氷融解量が変化していることが示唆された。現在は、本解析結果を論文にまとめ、投稿準備中である。
東南極モデルについては、開発済みである(Geophysical Research Lettersに掲載)。本年は、潮汐の効果をモデルの境界条件として導入した。潮汐を加えることで、大陸棚域の係留系との観測とモデルのより良い一致が見られた。この成果について、現在論文投稿に向けた準備を行なっている。また、昨年に引き続き、観測データと数値モデルの綿密な比較を行い、グリーン関数法を用いたデータ同化の準備を行っている途中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
西南極モデルについては、アジョイント法を用いたデータ同化を実施することが、本課題の目的であったことから、当初の計画以上に進展していると言える。さらに、本年は、高解像度か、モデルパラメータの最適化を実施し、係留観測や船舶観測と比較することで、高い観測再現性が実現できた。
東南極モデルについては、計画通り実施できており、概ね順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
西南極モデルについては、過去のモデルと比較して、かなり高い観測データの再現性が実現できた。この成果について、論文にまとめ、2024年3月までに論文を投稿する。
東南極域モデルについては、予定通り、観測データと数値モデルの比較を継続し、グリーン関数法を用いたデータ同化の準備を実施する。また、潮汐を導入したモデル結果についても論文にまとめ、2024年3月までに投稿する。
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