研究課題/領域番号 |
21K13992
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分17020:大気水圏科学関連
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研究機関 | 高知大学 (2022) 国立研究開発法人産業技術総合研究所 (2021) |
研究代表者 |
小坂 由紀子 高知大学, 海洋コア国際研究所, 研究員 (90847360)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | ネオジム同位体 / 鉛同位体 / 深海サンゴ / 海底堆積物 / 南大洋 |
研究開始時の研究の概要 |
南極海での熱や物質の運搬を把握することは、全球規模の気候変動における南極海の役割を理解する上で非常に重要である。過去から現在に至る南極海の海洋循環の変遷を復元する上で、特に重要な課題は海水のNd・Pb同位体比の時空間分布の把握であるが、南極海の海洋観測は荒天・氷山などの困難が伴うためデータの空白域が多い。 本研究では海底堆積物試料を用いて現代の海洋のNd・Pb同位体比の空間分布を把握し、深海サンゴのNd・Pb同位体分析から過去の海洋循環の変遷を復元することを目的としている。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、現代の南極海の底層水のネオジム・鉛同位体比の面的な分布を把握し、深海サンゴに記録された過去のネオジム・鉛同位体比の変遷から、南極海の過去の海洋循環の変遷を復元することである。具体的には、(1)南極海で採取された表層堆積物の鉄-マンガン酸化物のネオジム・鉛同位体分析、(2)深海サンゴの年代測定とネオジム・鉛同位体分析に取り組む。試料はこれまでの研究航海で採取された堆積物コアと深海サンゴを対象とする。 2021年度には深海サンゴ化石の一部試料でU-Th年代測定を行った。他の報告と同様に最終氷期以降の年代分布を示しており、完新世の試料が多いことが明らかになった。また、U-Th年代測定を行った一部の試料に対し放射性炭素年代測定を行い、その年代差からベンチレーション年代の推定を行った。その結果、完新世に形成された深海サンゴのベンチレーション年代が、採取水深の海水の放射性炭素年代の報告値とよく対応していることが確認できた。この成果について学会発表を行った。また、化学分離で用いるカラムやそのラックなどの設計をし、製作を行なった。 2022年度は海外における研究滞在のために1年以内の研究中断があり、本研究課題に対し1年間の研究期間の延長手続きを行なった。このため2022年度は進捗が少ないが、2021年度に取り組んだ深海サンゴのU-Th年代を補正するために、サンゴの採取地点近傍で採取した海水試料のTh同位体比測定を依頼した。また、サンゴ骨格に含まれる微量元素濃度濃度の定量分析を行った。本研究で対象としているカルサイト質の深海サンゴは、アラゴナイト質の深海サンゴの報告値と比較すると、ネオジム濃度は同等で、鉛、ウラン、トリウムなどの濃度は非常に低濃度であった。このため、鉛同位体分析にも微少量で高精度に分析する手法を適用する必要があると見込まれる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症まん延と海外における研究滞在のため、海底堆積物試料のサブサンプリングや深海サンゴの放射性炭素年代測定などのための国内出張が実施できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
今年度中にはサブサンプリングを実施し、表層堆積物の鉄-マンガン酸化物の抽出と分析を進める。これと並行して化学分離手法の改良を進める。深海サンゴの年代測定についても、放射性炭素年代測定を網羅的に実施し、試料全体の年代分布の把握を行う。その後、厳選した試料に対しU-Th年代測定を実施する。
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