研究課題/領域番号 |
21K14001
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分17030:地球人間圏科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人森林研究・整備機構 |
研究代表者 |
渡壁 卓磨 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 研究員 (10883663)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 土層生成 / 土砂流出 / 山地源流域 / 花崗岩 / 宇宙生成核種 / 土砂収支 / 水文観測 / 表層崩壊 / 山地保全 / 宇宙線生成核種 |
研究開始時の研究の概要 |
山地斜面から生産される土砂は、豪雨時には土砂災害を引き起こすものの、下流地域の生態系などの保全に重要な役割を果たすため、防災と土砂移動を両立させる必要がある。本研究では、宇宙線生成核種を用いて基盤岩の風化によって山地斜面で生成される土砂量を定量化し、観測や地形解析に基づいて日常的な降雨および非日常的な豪雨によって流域外へ流出する土砂量を推定する。このように、時間スケールの異なる土砂循環過程を統合することで、持続可能な山地斜面の利用に貢献できる山地保全技術を構築する。
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研究実績の概要 |
花崗岩を基盤とする流域面積が1ヘクタール程度の山地源流域において、通年で土砂流出を観測することができた。2022年1月から12月までの期間に、堆砂プールに堆積した土砂量は、1600 kg以上であった。一度に500 kg程度の土砂を堆砂できるプールを設置したが、1時間雨量が30 mmを超える強雨イベントでは満砂か満砂に近い状態になることがわかった。強雨が観測される7月から9月までのあいだに、土砂流出は集中していた。水流の発生点から堆砂プールまでの河道には、岩盤が露出している場所はほとんどなく、河床は常に薄い土砂に覆われ続けていた。このような状況を維持するためには、強雨時に生じる河道沿い急斜面の小規模崩壊などの一時的なイベントや土壌匍行などによって、斜面から河道へと土砂が供給されていることを示唆している。 土層の生成に関して、宇宙線生成核種Be-10の核種生成率の導出における最新の方法論を用いて、土層の生成速度を再計算した。新しい方法論では、古地磁気強度の時間変化の影響が組み込まれただけでなく、核種生成率の基準となる高緯度海水準地域の値の変更がなされている。土層の生成速度は、土層の厚さが増すほど小さくなるというこれまでの計算結果と同様の傾向があるものの、これまでの速度の2分の1程度になることがわかった。このことは、本研究で用いた値だけでなく、これまでの研究によって得られた地表面露出年代や侵食速度などの値が、新しい方法論で再計算することによって変わりうることを意味している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
土砂流出の観測を通年で実施でき、年間土砂流出を入力値として取り扱うことができるようになった。このため、山地源流域における土砂収支を評価するためのタスクのひとつを終えることができたといえる。また、新しい方法論に基づいて核種生成率を再計算したことによって、より確からしい土層の生成速度を得ることができるようになった。
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今後の研究の推進方策 |
流域内の多地点で土層厚を実測し、高解像度の航空レーザー測量データと実測値をもちいて、土層厚の空間分布を明らかにし、流域内での土層生成量を適切に把握する。これまでの土砂流出観測の結果と組み合わせることで、土砂収支を計算し、山地保全状況を評価するための指標を示すことを試みる。
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