研究課題/領域番号 |
21K14010
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分17040:固体地球科学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
藤崎 渉 筑波大学, 生命環境系, 助教 (80815192)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 三畳紀 / 生物大量絶滅 / 石灰岩 / 炭素同位体 |
研究開始時の研究の概要 |
顕生代に生じた生物大量絶滅事件の原因解明、及びそれに伴う表層環境変動の復元を行うことは、生命と地球の共進化を明らかにする上で極めて重要である。本研究では、約2億年前に生じた三畳紀末生物大量絶滅事件に焦点をあて、これまで空白域であった当時の超海洋パンサラッサ中央部における浅海環境変動を明らかにする。
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研究実績の概要 |
顕生代において、少なくとも5回の生物大量絶滅(BIG5)が生じたことが、化石記録から示唆されている。約2億年前の三畳紀末に生じた大量絶滅は、BIG5の一つであった事が知られているが、その絶滅原因として当時の超大陸パンゲア分裂により生じた中央大西洋火成岩岩石区(Central Atlantic Magmatic Provinces: CAMP)形成に伴う大規模火成活動が提唱されている。そのCAMP火成活動が引き金となり、炭素循環摂動や海洋の無酸素化といった様々な浅海環境の変化が生じ、大量絶滅が引き起こされたと考えられている。しかし、これら浅海環境変動はすべて大陸縁辺に堆積した岩石から得られたデータに基づいており、局地的な情報を反映している可能性が否めない。一方で、日本列島に露出するジュラ紀付加体中には、海洋プレート表層で堆積したホットスポット海山頂部起源の礁石灰岩といった、失われた海洋中央部表層の環境情報を保存している岩石が産出する。そこで本研究は、これまで完全に空白域であった超海洋中央部にて堆積した古海山頂部起源の礁石灰岩から高解像度地球化学データを取得することで、三畳紀末大量絶滅の原因と考えられている大規模火成活動、及びグローバルな浅海環境変動(炭素循環摂動や海洋の無酸素化)の因果関係の解明することを目的としている。当初予定していた野外調査に関しては、感染症拡大を懸念し延期を余儀なくされたため、本年度は昨年度に引き続き地球化学プロキシの開発に着手した。特に大陸風化と火成活動の強弱によって変動を示すストロンチウム同位体比に着目し、ストロンチウム同位体比の前処理施設を筑波大学に設置した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
感染症拡大が懸念されたため、野外調査に関しては当初の計画を通り進めることは難しいとと判断し、本年度は筑波大学にストロンチウム同位体比測定の前処理施設の立ち上げを完了させた。初年度の無機炭素及び酸素同位体比測定の迅速分析の立ち上げとあわせ、三畳紀末大量絶滅前後の浅海部における全球的な表層環境変動を読み解く地球化学プロキシの開発は着々と進展している。そのため、進捗状況はおおむね順調に進行していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今年度十分に行うことができなかった野外調査に重点を置き、地球化学分析だけではなく微化石(コノドント、フズリナ)抽出及び記載も並行して行っていく予定である。
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