研究課題/領域番号 |
21K14016
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分17040:固体地球科学関連
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研究機関 | 京都大学 (2023) 国立極地研究所 (2021-2022) |
研究代表者 |
入江 芳矢 京都大学, 理学研究科, 研究員 (30881015)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 中新世温暖期 / 海水準変動 / GIA / ダイナミックトポグラフィー / 南極 |
研究開始時の研究の概要 |
約1700-1400万年前の中新世温暖期は気温が現在より3-4℃高かったと推定されている。当時の南極氷床変動史を復元することは、近年の地球温暖化により加速している氷床融解の将来予測のために重要である。氷床量変動の情報を含む指標として、シークエンス層序学に基づく相対的海水準変動がある。本研究では、固体地球応答モデルを用いて相対的海水準変動を評価することで、中新世温暖期の南極氷床変動史を復元する。
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研究実績の概要 |
約1700-1400万年前の中新世温暖期は気温が現在より3-4°C高かったと推定されている。当時の南極氷床変動史を復元することは、近年の地球温暖化により加速している氷床融解の将来予測のために重要である。本研究では、GIA(氷床変動に伴う固体地球の粘弾性応答)の数値シミュレーションを用いて、中新世温暖期における相対的海水準変動を再現し、世界各地のシークエンス層序学に基づく相対的海水準変動の観測データと比較することで、中新世温暖期の氷床変動史を復元することを目的とする。 当該年度は、(i)シークエンス層序学に基づく相対的海水準変動のデータベース構築に向けた文献調査、(ii)マントル対流に起因するダイナミックトポグラフィーの計算プログラム開発、を実施した。 (i)について、ニュージャージーとオーストラリア北西部において、中心温暖期の連続した海水準変動のデータが得られている。これら2地点は、当時氷床が存在していた南極からの距離が大きく異なる。GIAに起因する相対的海水準変動は氷床域からの距離に応じて複雑な空間パターンを示すため、2地点の比較はGIAのシグナルを捉える上でで重要になると考えられる。 (ii)について、ニュージャージーとオーストラリア北西部において、100万年を超える時間スケールを対象とした相対的海水準変動を評価する上で、GIAによる影響だけでなくマントル対流に起因するダイナミックトポグラフィーの影響が重要であることが判明した。そこで、ダイナミックトポグラフィーによる影響も含めた海水準変動の数値シミュレーションに向けて、マントルの瞬間的流れ場モデルの計算コードの開発を行なった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当該年度は、当初の計画に加えて、マントル対流に起因するダイナミックトポグラフィーのモデル開発を実施した。これにより、当初計画していた、GIAの広範囲なパラメータ領域での計算の展開の実施がやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
GIA の数値モデルを用いた中新世温暖期の相対的海水準変動の再現、氷床変動史に関する広範囲なパラメータ領域での計算の展開、を実施する。さらに、当該年度に開発を行なったダイナミックトポグラフィーの数値モデルと組み合わせて、シークエンス層序学に基づく相対的海水準変動の観測データと比較する。これらの研究成果を取りまとめ国際誌へ投稿する。
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