研究課題/領域番号 |
21K14021
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分17040:固体地球科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
福田 将眞 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 核燃料・バックエンド研究開発部門 東濃地科学センター, 研究職 (70883479)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 熱年代学 / 西南日本弧 / 南海トラフ大地震 / 四国山地 / 中国山地 / 隆起・削剥 / 非弾性変形 / フィッション・トラック法 / (U-Th)/He法 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は南海トラフ地震の発生期間や規模の将来予測の基礎データとなる,過去百万年スケールの西南日本弧における隆起・侵食履歴の復元を試みる.沈み込み帯に特徴的に発生する海溝型超巨大地震のメカニズムは,プレート間の弾性歪の蓄積・解放で説明されるが,弾性歪の蓄積プロセスの正確な理解には,永久変形を評価する必要がある.西南日本弧の陸域の長期的な永久変形を推定するため,本研究では前弧域に分布する中国山地および四国山地を対象とした(U-Th)/He法およびフィッション・トラック法といった熱年代法を適用し,推定した百万年スケールの侵食履歴から,陸域の地形の形成過程(=永久変形)を推定する.
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研究実績の概要 |
南海トラフ大地震のトリガーとなる西南日本弧の歪の蓄積・解放過程の理解に資するためには,陸域における地質時間スケールの非弾性歪成分(≒永久変形)の推定が鍵となる.西南日本弧は海洋プレートの斜め沈み込みや隆起の原因が不明確なことなど,島弧としては比較的複雑なセッティングであり,弾性歪の解放プロセスは統一的な理解が得られているとは言い難い.そこで,これまで筆者らが実施してきた東北日本弧での検討を念頭に,西南日本弧での系統的な熱年代法の適用を行い,両者を比較することで西南日本弧の島弧としての特性や変形過程の把握を試みる.本研究では,四国・中国山地に着目し,これらを横断する南北方向の2本の測線(鳥取―徳島,島根―高知)沿いに基盤岩である花崗岩類のサンプルを採取し,閉鎖温度が低温領域の熱年代法であるフィッション・トラック法や(U-Th)/He法(以下,それぞれFT法,He法)による隆起・削剥履歴の推定を試みる. 2021年度に中国山地(鳥取~岡山),2022年度には四国山地(愛媛,香川,徳島)および中国山地(島根~広島)でのサンプリングを行い,鉱物分離および年代分析を進めてきた.結果として,いずれの地点においても岩石の形成年代よりも若い14~6 MaのアパタイトHe年代,76~9 MaのアパタイトFT年代,84~8 MaのジルコンHe年代が検出され,各手法の閉鎖温度に対応した最近の隆起・侵食に伴う年代の若返りを記録している可能性が示唆された.今後は両山地の体系的な年代値の傾向から,鉛直成分の非弾性歪速度の推定に寄与する隆起・削剥データの取得を試みる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2021年度の夏に予定していた中国山地および四国山地のサンプリングをコロナ禍で断念したため年代分析の着手が大幅に遅れ,2022年度初頭の時点で5点のアパタイトFT年代が得られるのみであった.2022年度の成果としては,5月に四国山地,8月に中国山地でのサンプリングを終え,四国山地の地質試料については鉱物分離を済ませた段階である.また,研究協力者から提供いただいたサンプルを含め,新たに10点のアパタイトHe年代と10点のジルコンHe年代を取得した.特に四国山地については,熱年代法の種類を問わず概ね10~6 Ma頃に年代値が集中しており,四国山地では①第四紀の隆起・削剥の影響が小さく十分な若返りが起こらなかった,もしくは②第四紀以前(中期中新世ごろ?)に急激な隆起・侵食が起こったが現在はテクトニックに安定している,といった可能性が明らかになりつつある.一方で,中国山地の鉱物分離および年代分析がほとんど進んでいないことや,熱年代分析についても申請当時の計画からは遅れを来しているため,1年間の補助事業期間の延長を行った.
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は昨年度採取した中国山地の試料について鉱物分離を外注予定であり,既に得られている四国山地の試料と併せて年代分析を実施する予定である.分析の数量としては中国山地・四国山地で各10試料程度のアパタイトおよびジルコンHe分析の外注の依頼を検討しており,アパタイトFT年代についても東濃地科学センターで実施予定である.2022年度に得られた年代データと統合し,各山地を南北に横断する系統的な熱年代学的データから,隆起・削剥過程および隆起形態の復元を試み,得られたデータに基づいて学会・研究会や投稿論文としての成果の公表を目指す予定である.
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