研究課題/領域番号 |
21K14041
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分18010:材料力学および機械材料関連
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
坂根 慎治 京都工芸繊維大学, 機械工学系, 助教 (70876755)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | フェーズフィールド法 / 格子ボルツマン法 / 複数GPU並列計算 / 適合格子細分化法 / デンドライト・セル成長 / レーザー溶融法 / 金属積層造形 / 凝固 / 凝固組織 / GPU計算 / 積層造形 / 解適合格子法 |
研究開始時の研究の概要 |
積層造形は複雑形状製品の作成が可能であり,現在最も注目されている加工技術であるが,積層造形製品の特性を決定する凝固組織の高精度予測法確立が喫緊の課題である.本研究では積層造形プロセスで形成される凝固組織を3次元で完全に再現可能な計算手法を開発し,高精度な凝固組織予測を初めて可能とする.このためには,固液相変態,温度変化,溶質移流拡散,液相流動,粒成長を全て考慮したマルチフィジックスモデルの構築と,大規模計算を高速に実行する高性能計算技術開発が必須である.本手法により,積層造形時の凝固組織の系統的な評価が可能となり,将来的に材料組織を最適化するための積層造形プロセスの設計が可能となる.
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研究成果の概要 |
本研究では,金属積層造形中に形成される凝固組織を3次元的に高精度に予測するために,積層造形中のマルチフィジックスを考慮したデンドライト・セル凝固モデルの構築と,その大規模3次元計算手法開発を行った.ここで,演算性能の高いGPUを複数用いた並列計算と,固液界面にのみ細かい数値格子を動的に配置する適合格子細分化法を組み合わせたフェーズフィールド(PF)モデルの大規模3次元計算手法を確立した.また,メゾスケール熱流体計算とミクロスケールPFモデルのカップリングモデルを構築し,大規模3次元PF計算を通して,実験組織をよく模擬した3次元積層造形組織の予測に成功した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
積層造形の凝固組織は造形物の品質を決定づけるため,その高精度予測が重要であるが,積層造形中のマルチフィジックスを包括的に考慮した凝固組織予測モデル構築と,3次元組織予測を可能とする高性能計算手法開発が課題であった.本研究で構築した3次元組織予測手法は,フェーズフィールド組織予測のための高性能計算手法開発の指針となり,かつ,実験的にその場観察が難しい積層造形中の凝固組織形成過程を3次元的に再現・評価できるため,学術的な貢献が期待できる.また,高品質な積層造形品を製造するための知見を生み出す強力なツールとして,今後,産業面での貢献も期待できる.
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