研究課題/領域番号 |
21K14052
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分18020:加工学および生産工学関連
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
山田 洋平 埼玉大学, 理工学研究科, 助教 (60756899)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | レーザスライシング / 非球面レンズ / 硬脆材料 / レーザ割断 / 精密微細加工 / 超精密加工 / 超短パルスレーザ / 内部加工 / 光学ガラス / 応力解析 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究はレーザスライシング技術による、ガラス非球面レンズの磨きレス一発成形技術の開発を目的とする。超短パルスレーザをガラス内部に集光し、微小改質部を連続的に形成することで、極薄の引張残留応力層を任意形状に形成できる。この応力層に沿ってき裂が伝播することで、任意曲面を持ったレンズが成形できる。本技術の課題は形状精度が劣っている点である。そこで本研究では、以下の2点について研究を行う。 ①微小改質部の成分分析・複屈折応力測定によるき裂伝播メカニズムの解明。 ②ビームのエネルギー分布・偏光・位相制御によるき裂伝播制御。 これらにより高精度・高速・簡便な非球面レンズ加工技術の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
ガラスのレーザスライシング技術は,き裂伝播を制御できず加工精度に課題を抱えていた.そこで,き裂伝播メカニズムの解明を目的として研究を行った.FEMと複屈折応力評価装置を用いた応力状態の可視化を行った結果,材料内部には引張応力を主とした残留応力層が形成され,最大の引張応力となるレーザ焦点付近でき裂が伝播することが明らかとなった.また,き裂伝播中にガラスが互いに反り合うことにより,き裂先端部に応力集中が形成されることで,自然にき裂伝播が生じることも明らかとなった.このメカニズムを基に,レーザ照射条件を同定し非球面レンズ成形を試みた結果,成功した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
超短パルスレーザを透明材料内部に集光し、改質により微細なフォトニックデバイスを形成するという研究は国内外問わず盛んに行われているが、材料内部の応力に着目した研究は限られており,この応力を利用して割断加工に応用する研究は,本研究のみである.今回提案したのガラス内部の応力蓄積メカニズムは,学術研究において価値のあるものであると考えている。また,非球面レンズは,AI技術や電気自動車のセンシングに欠かせないものである.熟練の技術を必要とせず,迅速かつ簡便に非球面レンズ成形が可能になる本技術は,社会に貢献できる可能性が大である.
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