研究課題/領域番号 |
21K14054
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分18020:加工学および生産工学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
門屋 祥太郎 東京大学, 工学系研究科, 助教 (60880234)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | レーザ加工 / インプロセス計測 / 微細周期構造 / 干渉計測 / 表面形状 / 光学計測 |
研究開始時の研究の概要 |
マイクロスケールとサブミクロンスケールという異なるサイズの微細凹凸構造からなるレイヤード構造を光学的に評価する手法の開発に取り組む.光学メディアや半導体素子など幅広い分野で,マイクロスケールの大きな構造の表面にサブミクロンスケールの小さい構造が存在するレイヤード構造を作製する手法が注目されており,大小それぞれの構造の形状を評価することが求められている.本研究では,レイヤード構造全体に観察光を入射する手法と光ファイバなどを用いてレイヤード構造の一部に局所的に観察光を入射する手法それぞれの遠隔場光学応答を解析することで,レイヤード構造内のサブミクロン構造の形状評価を行う手法の確立を目指す.
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研究実績の概要 |
微細な表面構造によって発現する反射特性や濡れ性などの様々な特性は,微細加工・微細計測,バイオなど様々な分野で活用されている.特に,マイクロメート ルスケール,サブマイクロメートルスケールという二つの異なるサイズ領域の微細構造を併せ持つマルチスケール構造は,その複雑な形状によってより高度な機 能を実現できると期待されている.本研究では,超短パルスレーザ加工を代表とする微細加工技術によって作製されるマルチスケール構造について,その形状な どを光学計測法によってインプロセスに評価する方法の開発を目指している.本年度は,以下の項目について研究を行った. (1)前年度に提案した,マルチスケール構造形状評価法について,数値解析による形状復元精度解析を行った.本手法は,光学応答の位相から復元される形状が部分的に形状を反映していることを利用して,長波長計測によるμスケール形状復元結果を基準に,角度走査計測によって得られるマルチスケール形状について形状を正確に反映している部分のみを抽出してスティッチングする方法で,本年度は角度走査によって0.05-0.15マイクロメートル程度の形状推定誤差で形状復元できることを検証した. (2)マイクロ周期構造の一括計測法の検証:マルチスケール構造計測における基準となるμスケール構造について,従来の干渉法ではなく,非走査で大面積を一括計測可能な計測手法を提案した.これは平面波を周期構造に入射した際の反射光角度が形状の表面角度に対応することを利用した手法で,反射光角度から得た傾斜角度情報を集積することで形状復元が可能となる手法である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は,(1)マルチスケール構造形状評価法についての形状復元精度解析,(2)マイクロ周期構造の非走査傾斜角測定による一括形状計測法の提案を行った. (1)については,本プロジェクトで提案しているマルチスケール構造の形状計測法について,50ナノメートル程度での形状推定が可能であること,また入射光角度の走査範囲を増やすことでさらに形状復元精度が向上する見込みがあることを示した. (2)については,上記手法の基礎となるマイクロスケールの周期構造形状計測について,従来手法よりもロバスト性の高い傾斜角計測による手法を提案した. 以上より,当該年度の目標を概ね達成しており,順調に進展していると考える.
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今後の研究の推進方策 |
本研究で対象とするマルチスケール構造について,レーザ加工を中心に実験的に計測対象試料の作製を行い,提案手法の実効性を検証していく予定である.
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