研究課題/領域番号 |
21K14075
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分19010:流体工学関連
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
西川原 理仁 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (50757367)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 電気流体力学 / 絶縁性液体 / ポンプ / 機能性流体 / 高電圧工学 / 解離電荷 / MEMS / コンダクションポンプ / クーロン力 / マイクロフルイディクス / 冷媒 / ヘテロチャージ層 / 高電圧 / 解離イオン / 高電界 / 低電界伝導 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、電気流体力学(EHD)コンダクションポンプにおけるスケール効果を明らかにすることである。相似形状で異なるスケールを有するポンプを製作、ポンプ性能を評価しスケールの影響を調査し、また電気流体連成シミュレーションによって電極近傍に形成されるヘテロチャージ層へのスケールの影響を明らかにする。ポンプ内の電位計測や電気伝導率の電界および温度依存性を計測し、ヘテロチャージ層の形成要因に関して詳細に調査する。マイクロスケールでのポンピング現象を明らかにすることで機械式ファンによる対流では到達できない領域、マイクロナノスケールでの熱輸送応用へと展開する。
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研究成果の概要 |
本研究では,機械的可動部のない電気流体力学(EHD)コンダクションポンプにおけるスケール効果を明らかにすることを目的とし、マイクロメートルスケールにおけるポンプ特性やヘテロチャージ層形状について実験、シミュレーションの両面より調査した.その結果、逆極性の電極近傍に形成される解離イオンで構成されるヘテロチャージ層はスケールが小さくなるにつれて相対的に大きくなることが分かった.スケールが小さくなると両ヘテロチャージ層がオーバーラップし、クーロン力が打ち消しあることが分かった。さらに,スケールが小さくなると正負のヘテロチャージ層の非対称性が失われることが初めて明らかになった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、数十マイクロメートル以下のスケールにおいては従来のように電極を非対称性に設計しても流動の源である正味のクーロン力は流れ方向に発生しにくくなることが分かった.すなわち小さなスケールではそのような現象を考慮した設計が必要であるということが本研究で分かった重要な成果である.EHDポンプの最大印加電圧は液体の絶縁破壊電圧で決まり,絶縁破壊電界(印加電圧/電極間距離)はおおよそ10 kV/mm以下である.マイクロEHDポンプでは電極間距離が短いため印加電圧は数~数百Vまで低くすることができ運用がより容易になり応用の幅が広がると考えられる.本研究ではその設計における基礎的な知見を獲得した.
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