研究課題/領域番号 |
21K14084
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分19010:流体工学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大島 逸平 東北大学, 流体科学研究所, 助教 (40851845)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 微粒化機構 / 光学計測 / 光学実験 / 液膜微粒化 / 可視化計測 |
研究開始時の研究の概要 |
ガスタービン(GT)の経験則的開発手法からの脱却のため,微粒化制御技術の確立が求められている.これまで,申請者はGT噴射弁より噴射された液膜流が,気流により変形微粒化して液滴に至る過程を不安定性理論に基づきモデル化することで,噴霧液滴の平均粒径の予測を行った. しかし,この分裂機構の1つである,液膜が袋状に拡がり分裂するバッグ分裂からできる液滴径分布がどのように決定されるのか明らかではない.そこで本研究では,バッグ部の液膜厚さの空間分布に着目し,バッグの分裂メカニズムおよび,バッグ分裂起因の噴霧液滴の粒度分布の決定メカニズム解明の実現とともに機構論的バッグ分裂モデルの構築に挑戦する.
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研究実績の概要 |
液膜が気流により薄膜化して分裂することでできる、液滴粒径およびその粒度分布は、液膜破断時の液膜の厚さ分布によって決まると考えられる。そのため、液膜破断時の液膜の厚さ分布を定量的に推定することは、微粒化特性を予測するうえで重要な技術であると言える。 したがって本研究では、液膜が気流に誘起されて薄膜化する過程における、液膜の厚さ分布を推定し、液膜が微粒化してできる液滴径の予測実現を目指している。 本年度は、昨年度計測した高速度画像の解析を行い、気流によって引延ばされた液膜が、破断する際の収縮速度を求めた。さらに、収縮速度を基に液膜の厚さを推定した。液膜厚さの平均値を算出するとともに、推定される液膜厚さのばらつきを評価した。また、光学的に液膜厚さを推定する方法の検討も行い、本年度はシュリーレン法に着目した。シュリーレン法ではレンズと並行な液膜を対象とした場合、液膜の厚さ分布を推定できる見込みまでを得た。一方、3次元的に変形する液膜を対象とする場合、正確な推定が可能かどうかの検討が必要であることがわかった。次年度、シュリーレン法、干渉法、ならびに他手法を検討しつつ、液膜厚さの空間分布推定およびレンズと並行状態にない形状の物体の厚さの推定が可能であるかどうかを丁寧に検証していく予定である。 また本年度は、関連する研究に関して、論文が1本採択、国際会議での報告1件、国外での研究セミナーでの報告1件を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は他課題に関連し、長期の在外研究を行った。そのため、十分に実験を行う事が出来ず、検討を進めることができなかった。また、キャリブレーションの目的として、液膜の厚さを点計測でよいものの、正確に測ることができる計測方法が見受けられず、本研究で進める液膜厚さ計測を実現した際に、精度検証をどのように進めるべきかどうかの模索が求められた。
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今後の研究の推進方策 |
背景型シュリーレン法で液膜厚さが計測できるか試みる一方で、LIF法などの光学手法について調査を進め、多角的な視点で研究課題を解決できるように進めていく。
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