研究課題/領域番号 |
21K14093
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分19020:熱工学関連
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
小林 芳成 岐阜大学, 工学部, 准教授 (00827016)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | 炭素繊維強化プラスチック / 燃え拡がり / 炭素繊維配合方向 / 限界酸素濃度 / 燃え拡がり速度 / 熱的異方性 |
研究開始時の研究の概要 |
研究代表者はこれまで,炭素繊維強化プラスチック(CFRP)上の火炎の燃え拡がり挙動を調査・研究し,その燃え拡がりモデルの構築に挑戦してきた.現状のモデルを用いて計算した燃え拡がり速度や燃え拡がり限界(限界酸素濃度)などの特性値は,実験値と定性的には同様の傾向を示しているものの,定量的には未だ大きな乖離がある.その主な原因として,材料の異方性の影響を表すモデル式が適当でないこと,そして,CFRP内部の温度プロファイルを正しく模擬できていないことが挙げられる.そこで本研究は,現在の燃え拡がりモデルを高精度化し,CFRPの燃え拡がり挙動を定量予測することを目指す.
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研究成果の概要 |
本研究では,研究代表者がこれまでに構築した炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の燃え拡がりモデルを改良し,燃え拡がり限界を意味する限界酸素濃度(LOC)を定量的に予測することに挑戦した.具体的には,炭素繊維配合方向による固相内の熱輸送の違いをモデル化し,火炎高さが対向流速の増加と共に消炎距離に漸近するようモデル式を改良した.これにより,様々な対向流速における燃え拡がり速度を定量的に予測できるようになった.さらに,当燃え拡がりモデルに対してスケール解析を行い,LOCを解析的に導く方程式を導出した.その式からCFRPのLOCを求めたところ,実験値と定性的に一致する値が得られた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で得られた知見および成果は,学術的には燃焼科学,とりわけ固体材料上の火炎の燃え拡がりを理解するのに役立つ.従来の固体材料の燃え拡がり研究は,炭素繊維強化プラスチック(CFRP)のような炭素繊維配合方向によって異方性をもち,高熱伝導な材料を対象として来なった.そのため,本研究は燃え拡がり研究の裾野を広げ,燃焼科学を深化させる.一方実用的には,CFRPをはじめとする複合材料や高熱伝導材料の燃焼性評価に貢献することが期待できる.CFRPは軽量・高剛性という特徴から航空宇宙産業など多くの分野で利用されているため,そのような業界・分野において製品の火災安全性評価に役立てられることが想定される.
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