研究課題/領域番号 |
21K14096
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分19020:熱工学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
藤原 邦夫 大阪大学, 大学院工学研究科, 助教 (60800852)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 熱物性 / 局所物理量 / 単原子スケール / 界面エネルギー輸送 / 非平衡分子動力学 / 界面熱輸送 |
研究開始時の研究の概要 |
界面における1つの原子・分子に着目し,古典分子動力学法の範疇で,その原子・分子近傍の空間において3次元的な熱流束の構造,3次元的な温度分布,熱流束・温度の時間スケール特性,の相関性を探求することで,単原子スケールにおける熱伝導率を妥当な解釈・定義に基づき数値解析的に算出する方法論の創出を行う.また,種々の熱力学的条件下において,界面における単原子スケールの熱物性とマクロスケールの熱輸送特性の相関性を基礎的な計算系において解明する.
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研究成果の概要 |
固液界面の基礎的なモデル(LJポテンシャル)において単原子スケールの場の輸送量の三次元的な空間分布を算出する理論・数値解析技術を構築し,固液界面の空間において精密な応力・熱流分布を明らかにした.その結果,熱流束と応力が線形性を示すことが分かった.また,熱流を単一の相互作用に基づく物理量(例えば応力)に基づいて解釈する新しい方法論の構築を行った.結果として,局所における熱流情報に大きく依存する熱伝導率を定義することが理にかなっていることが示された.そして単一の相互作用レベルの応力状態で熱伝導率を考えることにより,さらに詳細な観点から場の輸送量に基づき熱物性を考えることが可能であることを示した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で初めて構築された,場の物理量に基づく輸送現象の解明手段は,幅広い現象に展開が可能であることから,非常に有用であると考えられる.特に原子スケールで輸送量の3次元空間分布が初めて示され輸送特性を理解できるようなった点は,学術的な価値が非常に高く,また社会において微小スケールの輸送現象の理解の助けとなることが期待できる.そして,単一の相互作用に基づく場の物理量の解釈は輸送現象をさらに詳細に理解する上で重要な知見であると考えられ,今後さらに研究を進めていく必要がある.
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