研究課題/領域番号 |
21K14128
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分20020:ロボティクスおよび知能機械システム関連
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研究機関 | 足利大学 |
研究代表者 |
越智 裕章 足利大学, 工学部, 講師 (50780128)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 筋骨格構造 / 筋シナジー / 平衡点解析 / 冗長マニピュレータ / 筋内力 / 運動制御 / 平衡点 |
研究開始時の研究の概要 |
人間の運動生成メカニズムは複雑であるため、個々の運動生成要素が果たす役割について不明な点が多い。人間のような運動機能を有するロボットシステムの実現のためには、生体システムの持つ各要素の持つ工学的意義を明らかにし、ロボットシステムに適した運動生成手法を確立する必要がある。本研究では、筋骨格構造の持つ工学的意義を明らかにし、それをロボティクスへ応用することを目的に、筋骨格構造マニピュレータにおける構造的特性に基づいた筋シナジー信号を生成し、その筋シナジー信号に基づいた運動生成手法について筋骨格構造マニピュレータシステムを用いて検証する。
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研究実績の概要 |
前年度実施した、人間の腕を模した筋骨格構造マニピュレータの構造的な特性に基づく筋シナジー生成と運動制御手法について、検証のための実験システムを構築した。前年度に製作した実験機で、本研究手法によって生成した筋シナジー信号を活用したフィードバック制御と通常のヤコビ行列を用いたフィードバック制御の比較検証実験を実施したところ、モータのギアヘッドの摩擦の影響や構造的な干渉があったため、十分な検証実験が出来なかった。そのため、実験機の一部を修正し、ディザ信号によって摩擦補償を行い、検証実験が可能なシステムを構築した。 これまでの研究では平面内を駆動する2関節6筋構造であったため、より人間に近い3次元の筋骨格構造マニピュレータでの筋シナジー生成の可能性を検討した。基礎研究として、人間の肩の構造を参考にした、球体関節を有する筋骨格構造における筋内力の安定性を筋内力ポテンシャルによって解析した。球体関節の筋骨格構造マニピュレータにおいても先行研究と同様に、筋の付着位置によって筋内力の安定性が大きく変化すること、適切な筋の付着位置を設定することで安定した筋内力を生成できることを確認した。また、目標値での内力を入力することによるフィードフォワード位置決めが可能であることを、動力学シミュレーションと実験機によって検証し、目標位置近傍での安定性を確認した。以上より、3次元の筋骨格構造マニピュレータにおいても本研究の手法によって筋シナジーの生成ができる可能性を見出せた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究者のその他の業務の多忙や実験機の改善のため、実験検証に遅れが生じている。 また、より人間に近い筋骨格マニピュレータでの筋シナジー生成を模索した結果、当初計画より遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、遅れている解析結果をまとめ、学術誌に論文を投稿する。 コンピュータシミュレーションで得られた結果との比較・検証やカメラフィードバックやむだ時間・センサ誤差の多いシステムにおいて、筋シナジーによるフィードバック制御手法のロバスト性の検証実験を行い、制御手法の有効性を検証する。 3次元の筋骨格構造マニピュレータでの筋シナジー生成の可能性を検討する。
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