研究課題/領域番号 |
21K14141
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分21010:電力工学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
児玉 直人 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (80828971)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | アーク / ヒューズ / 消弧媒体 / 熱プラズマ / 限流ヒューズ / 直流遮断 / 珪砂 / 高分子材 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,従来からヒューズ内部のアーク消弧媒体として用いられてきた珪砂(SiO2)に加えて,高分子材料を新たに用いる。アークと固体高分子材の接触・溶発を利用することで,(1)電流路の強制的な収縮によるアーク抵抗の増加,(2)高分子蒸気によるアークの拡散,の2つの効果を融合させた革新的な小型・軽量・高遮断容量のDCヒューズを実現させる。
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研究成果の概要 |
本研究では、直流回路を保護する素子である限流ヒューズ内で発生するアーク放電の新しい限流遮断方式を検討した。光硬化性樹脂で作成した狭隘部付き模擬ヒューズを設計し、アーク放電の消弧に対して利用した。その結果、従来から限流ヒューズの消弧媒体として用いられてきた珪砂と比較して、本遮断方式を用いることでアーク消弧過程におけるアーク抵抗の上昇、ひいてはアーク消弧時間の短縮化に成功した。本方式においてアーク抵抗が上昇した要因を、アークのガス特性のシミュレーションから検討した。その結果、高分子蒸気がアークに混入することで、アークの電気抵抗率や熱散逸性が上昇し、その結果としてアーク抵抗が上昇したことが判明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の結果、数十年間の間、限流ヒューズのアーク消弧媒体として用いられてきた珪砂に加えて、高分子材で作成した狭隘部とアークの物理的な接触および溶発によるアークの物性の変化を利用することで、限流ヒューズのアーク遮断容量の更なる高容量化が見込めることが判明した。本成果は、再生可能エネルギーの導入において必須となる直流系統の実現と保護に対して資する成果となっている。
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