研究課題/領域番号 |
21K14160
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分21020:通信工学関連
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
柴田 凌 東京理科大学, 工学部情報工学科, 助教 (60898401)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | DNAストレージ / LDPC符号 / 空間結合符号 / 連接符号 / 同期誤り訂正 / 確率推論 / DNA / 挿入/削除誤り / 確率伝搬法 / 次世代ストレージ技術 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、DNAを使ってデジタルデータを記録しようという挑戦が世界中の研究機関や企業でなされている。DNAストレージは、数百年単位の記録寿命かつ1グラムあたり数百ペタバイトのデータ保存を実現できると期待されているが、データの重複・損失・置換による誤りが発生し、信頼性の低下が懸念される。本研究では、シャノン限界に近い性能を達成するLDPC符号と確率推論に基づく復号法に代表される現代的な符号理論の枠組みで、それらの誤りの訂正方法の提案、より高い効率性・信頼性・安定性の実現方法の提案、および訂正能力を評価しその有効性を示すことを目的とする。
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研究実績の概要 |
DNAストレージでは挿入・削除・反転誤りが生じ,その信頼性が大きく損なわれる.本研究では,LDPC符号に代表される確率推論に基づく現代的な符号理論をDNAストレージに展開することを目的としている.本年度の主な研究成果は以下のとおりである. (1) 挿入・削除タイプ通信路に対する空間結合符号の復号法開発:空間結合符号は反復的な同期・復号手法により,挿入・削除タイプ通信路の対称情報レートに近づくことが知られているが,大きな復号遅延が問題となっている.本研究では,復号遅延の削減を目的とし,スライド窓型反復同期・復号法を提案した.計算機シミュレーションにより,同程度の復号遅延で従来手法と比較し,大きな利得が得られることを確認した. (2) 挿入・削除タイプ通信路に対する反復シンボル同期・復号法の開発:本研究では,複数系列に対して同タイミングで挿入・削除誤りが発生する問題を対象とし,時点毎の入出力をシンボルとして扱う反復シンボル同期・復号法を提案した.さらに,提案手法にマッチする多元LDPC符号を適用し,その有効性を検証した.計算機シミュレーションより,エラーフロア領域・ウォータフォール領域共に従来手法と比較し,復号性能の向上を確認した. (3) DNAストレージに適した連接符号化法の検討:DNAストレージのシーケンサー等で生じる挿入・削除誤りの発生確率の削減や化学的な安定性を目指し,GC含有量とホモポリマー長の制約を満たす連接符号化法を検討した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
DNAストレージで生じる誤りに対して,GC含有量やホモポリマー長を制約する連接符号の検討,など,進展していると考えられるが,報告が遅れているため.
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究では,一様独立な入力とその出力の相互情報量として与えられる対称情報レートを計算し,DNAストレージが保証する信頼性や効率性の理論的な限界を解明する.さらに,引き続き通信路に適した連接符号化法やLDPC符号化法,及び低計算量な復号法の開発を行う予定である.また,挿入・削除誤りだけでなく,非対称に生じる反転誤りにも注目し,これに適した符号化法も検討予定である.
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