研究課題/領域番号 |
21K14163
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分21020:通信工学関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人情報通信研究機構 |
研究代表者 |
遠藤 寛之 国立研究開発法人情報通信研究機構, 量子ICT協創センター, 研究マネージャー (50809704)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
|
キーワード | 物理レイヤ暗号 / 量子鍵配送 / 衛星光通信 / 光空間通信 / 情報理論的安全性 / 量子暗号 |
研究開始時の研究の概要 |
物理レイヤ暗号は、狭い広がりのレーザによる見通し通信であるという光空間通信の特長を活用することで、いかなる計算能力を持つ盗聴者に対しても安全に情報を送ることができる技術である。研究代表者はこれまで、人工衛星による物理レイヤ暗号がグローバル規模の秘匿通信ネットワークの拡充に適していることを明らかにしてきた。しかし、大気ゆらぎなどの衛星光通信に特有の現象が及ぼす影響や、衛星通信に適した鍵蒸留処理の開発など、物理レイヤ暗号の衛星実装に必要ないくつかの課題が未解決である。本研究では、将来の衛星による物理レイヤ暗号の実現に向けて、性能評価理論の体系化、プロトコルの確立、試験系による実証実験に取り組む。
|
研究成果の概要 |
物理レイヤ暗号は、衛星-地上局間のレーザ通信のように指向性が高く視野が確保でき、盗聴者の盗聴能力に合理的な制約を課すことができる状況下において、高速・長距離な鍵共有を可能とする技術である。衛星による安心・安全なネットワークのグローバル化に資する技術であると期待される一方で、その衛星通信への応用には検討すべき事項が山積している。そこで、本課題では、より一般的な盗聴方法に対しても安全である新しい鍵共有技術の開発、有限の送信パルス数に対する性能評価方法の開拓、地上ビル間量子信号伝送実験から得られたデータに基づく性能検証、開発中の衛星搭載用装置を想定した静止軌道-地上間鍵共有の実現性検討に取り組んだ。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本課題から得られた知見から、高速・遠距離かつどのような計算機でも不当に解読できない鍵共有技術の安全性の向上や、実用的な評価が可能となり、さらには静止軌道-地上間での鍵共有の可能性も見出された。これらの成果により、国産技術によるグローバルスケールの安心安全なネットワークの構築がより現実的なものとなった。
|